日記
7. 水の重要性
7.水の重要性
◆浄水
○水道水の雑味を除去する浄水器は必須!
コーヒーを淹れる際に重要なことは、素材の欠点をできる限り少なくすることです。素材が良ければ「美味しく淹れる」ことを徹底すればいいのですが、素材が悪い場合「欠点を隠す淹れ方」をしなければいけません。それは、美味しく淹れることより難しいのです。この場合の素材にはもちろん水も含まれます。日本の水道水は他の先進国と比較しても高い水準ではありますが、それでもさまざまな雑味があります。それは、塩素や、貯水槽や水道管の汚れやサビの臭い。これらがコーヒー本来の味を損なってしまうのです。そこでプロが必ず使用しているのが浄水器です。当然ですが、コーヒーの成分の99%は水。コーヒーにこだわって水にこだわらないということは、重要な要素を見落としているも同然なのです。煮沸させるというのもひとつの手段ですが、一般的には10分以上沸騰させ続けないと雑味は抜けないといわれています。したがって、毎回長時間煮沸させるというのは手間かもしれません。
○コーヒーに向いている水の硬度は、pH値(ペーハー値)は!
雑味が抜けても、水にはそれぞれの性質があります。まずは水の硬度に着目してみましょう。日本で飲まれている水は、水道水を含めほとんど軟水といわれています。したがって、ミネラルウォーターを使用する場合も、まずは日本人が慣れ親しんだ軟水を使用すると違和感がありません。
ちなみに、軟水と硬水ではコーヒーの味が異なります。ミネラルウォーターの表示を見比べて、自分の好みの硬度を探してみるのもよいでしょう。また、硬度よりも重要なのがpH値です。pH値とは、水素イオンの数を数値化したもので、値によって酸性やアルカリ性といった分類をします。
では、コーヒーに適したpH値はというと、これは人によって異なります。コーヒー自体は酸性なので、アルカリ性の水を使用することにより中和され、滑らかな味わいになります。一方で、酸性の水を使用することにより、より酸味を強く感じるのです。浄水器の中にもアルカリイオン整水器などpH値を調整できるものがあるので、さまざまな水を使用して、自分好みの味わいを探してみるのも面白いものです。
■pH(ペーハー値)が及ぼす味の影響
お茶をはじめ、料理の世界では水に対するこだわりを持つことが多いのです。では、珈琲の世界でも水にこだわったほうが良いのか、結論から言うと水道水で十分です。珈琲の香味は「8割が豆の品質」で決まります。水を変えても香味が劇的に変わることはありません。しかしそれはpH(水素イオン指数)が同じ水であればの話しです。pHとは水溶液の酸性またはアルカリ性の強さを示す数値のことです。軟水、硬水なんて表現されることもあります。基本的にはpH7を中性として、pHが低ければ酸性、高ければアルカリ性になります。珈琲はpHが5~6程度の低酸性飲料になるのですが、pHが高いアルカリ性の水で抽出することで、pHが高くなり酸味が弱くなる傾向にあるのです。
■自然で生成される
地表から浸透した降水には、大気中に含まれる二酸化炭素が溶存しており、また、浅い地層に堆積した主に植物起源の有機物が分解して生成した二酸化炭素が地下水に溶け込みます。このため浅層の地下水では、やや酸性(6付近)のpHを示します。地下水が流動するとともに、二酸化炭素は砂礫と接触してナトリウムイオン等のアルカリ成分を溶かし出し、二酸化炭素は炭酸水素イオンに変化して、アルカリ性を示すようになります。このように、沖積平野の深部に帯水する年代の古い地下水では、二酸化炭素が消失してpHが上昇します。場合によっては9.0を示すこともあると思われます。pHが9を超える事例は、溶存成分が比較的少ない花こう岩質の母岩から湧出する温泉水などでみられ、泉質はアルカリ性単純温泉と呼ばれ、全国各地にあります。
■pHふたたび
pHとは水がどのような性質を持っているのかを図るための数値です。化学的にいうと、pHは溶液中の水素イオン濃度を表しており、ピーエイチやペーハーと呼ばれます。pHの数値は、1~14まであり数値が低いと酸性、高いとアルカリ性の性質を持つ溶液だと判断できます。1と14の中間地点にある数値「7」は溶液が中性であることを指します。純粋な水のpHを測定すると、数値は7を指すということになります。ただし、pHの値が7.0を指し示すケースはまれであり、7~8の間であれば中性の溶液であると判断されます。pHの値が3よりも低いものを酸性、3以上6以下のもの弱酸性と呼ばれます。例を挙げると酸性に含まれるのは「塩酸」、弱酸性に当てはまるものは「炭酸水」などです。pHの値が8以上11以下のものは「弱アルカリ性」、11を超えるものは「アルカリ性」と呼ばれます。弱アルカリ性の溶液として代表的なのが「石鹸水」、アルカリ性の溶液は「洗剤」などです。
■水道水のpHは
では、水道水のpHに着目してみましょう。水道水には、ミネラル分だけではなく塩素などの化学物質も含まれています。水道水の安全性を保つために定められたpHの規定は、5.8から8.6の間です。容認されている値が広範囲である理由は、「地域によって水質が異なる」ことが関係しています。飲料水に井戸水を使用している場合、pHは3~6程度を指し弱酸性であることが分かります。しかし、ある地域の貯水池から汲んだ水はpHが8を指すこともあるのです。藻が生息している貯水池などは、水質が弱アルカリ性に傾きやすい傾向があります。浄水場から提供される水がpHの規定を大きく超えることはありません。しかし、使用する消毒剤の濃度によってはpH値が変動するケースもあるようです。水道水が基準値である5.8の数値を下回る場合は塩素剤、8.6を上回る場合は次亜鉛素酸ナトリウムの過剰添加が考えられます。これらの薬剤は、どちらも水道水を消毒するために使用される薬剤です。
■天然水のpHは
市販されている天然水のpHはどの程度なのでしょうか。天然水とは、特定の水源から汲み上げ加熱・ろ過によって有害な物質を取り除いています。マグネシウムやカルシウムなど、ミネラル分が多く含まれているのが特徴です。風味が豊かであるため、飲料用に適した水といわれています。同じ天然水であるからといって、別の水源地から汲み上げられた水のpH値が同様であるとは限りません。水源の違いによって、天然水のpHの値には差が生まれます。一般的にはpH値が6~8程度の水が多いようです。水源によっては、地層の石灰成分が溶け込んだ天然の炭酸水が採取できる場所もあります。天然の炭酸水は、二酸化炭素が溶け込んだ水であるため性質は酸性に傾きます。天然の炭酸水のpHの値は5.5程度を指し、弱酸性です。それでは、「より体に良い天然水を選びたい」と思ったときにはどのような性質を持った天然水を選べば良いのでしょうか。結論からいうと、人体に合った水の性質は「弱アルカリ性」です。人の体のpHの値は7.4程度で、弱アルカリ性であることが分かっています。同じ弱アルカリ性の性質を持つ水は、体に吸収しやすく内臓に負担をかけにくいのです。より体に良い水を選びたいと考える場合は、pHの値が7~8の水を選ぶのが良いでしょう。
■pHが違うと味も違う
pHの濃度によって味には違いが生まれます。ここで身の回りにあるものを酸性とアルカリ性に分けてご紹介しましょう。
まず、酸性に当てはまる食品として挙げられるのがレモンや酢、ミカン、炭酸水などです。一方、アルカリ性の性質を持つのが石鹸や洗剤、重曹などです。同じグループの物にはある共通点があります。酸性に当てはまるものは、「口に入れたときに酸っぱい」ことが特徴です。レモンや酢、ミカンなどは酸性度が高いため酸っぱく感じやすいのです。アルカリ性のものは、「口に入れたときに苦い」、「ぬるぬるしている」などの特徴があります。ミネラル分が多い硬水を飲んだときに苦く感じやすいのは、硬水のアルカリ濃度が高いためです。さらにアルカリ濃度が高くなると、触感がぬるぬるします。洗剤や石鹸などはアルカリ濃度が高いためにぬるぬるとした手触りをしているのです。
■気体が水に溶けると何性か
身のまわりの物質についてなのですが、二酸化炭素・酸素・水素・アンモニアなどの気体は「何性」なのか。それぞれを水に溶かすと、二酸化炭素は「酸性」、酸素と水素は「中性」、アンモニアは「アルカリ性」を示します。酸性・中性・アルカリ性は、水溶液の性質を表します。気体の状態では、「酸素は何性」とは言いません。二酸化炭素を水に溶かした液を青色リトマス紙につけると、「赤く」変化します。つまり酸性です。また、アンモニアを水に溶かした液を赤色リトマス紙につけると、「青く」変化します。つまりアルカリ性です。 酸素や水素は水に溶けにくいので、水溶液の性質を問われることはほとんどありませんが、「中性」です。酸素や水素と同様に、窒素も水にほとんど溶けず、水溶液の性質を問われることはほとんどなく「中性」です。ちなみに、塩素は水に溶かすと「酸性」を示します。
■炭酸水
炭酸水とは、炭酸ガス(CO2:二酸化炭素)を含む水のことをいいます。ソーダ水・ソーダとも言われます。特にソフトドリンクの多くでは、飲み物に清涼感を与える目的でこの炭酸ガスを原料の一つに使用し気泡を立たせ、これは炭酸飲料とも呼ばれます。 自然界でも炭酸水は湧き水や温泉などの形で産出し、飲用可能なものはミネラルウォーター等の形で販売されています。現代では水と炭酸ガスに圧力をかけ人工的に大量生産されており、欧米のレストランでは水を注文する際、「炭酸水」か「無炭酸の水」かを選んで注文する形式が一般的です。炭酸水に調味料や香料を加えたものが炭酸飲料ですが、日本では素の炭酸水は主に飲食業における原材料(カクテルベース)として扱われ、一般消費者への普及は遅かったのです。
◆水に含まれる主なミネラルと役割
水に含まれている各成分は、それぞれ重要な役割を果たしているため、バランスよく摂取することが必要です。
・カルシウム
骨や歯の形成カルシウムは、骨や歯の主成分であると共に、神経の伝達を助ける働きや心臓の鼓動を一定に保つ働きも担っていると言われています。
・マグネシウム
ストレスに対抗マグネシウムは、エネルギー代謝を促進して疲労回復を助けしたり、筋肉の働きを調整する等の効果があると言われています。日常の食生活では摂取しにくい成分です。
・ナトリウム
体内の水分量調整ナトリウムは、多くは細胞の外側に存在しているミネラル成分で、細胞の機能を維持したり神経機能を正常に保つことに役立っていると言われています。
・カリウム
細胞・血圧の調整カリウムは、ナトリウムと一緒に摂取することで、血圧の上昇を抑制したり筋肉の働きをよくすると言われています。野菜や果物、豆類等に多く含まれます。
・亜鉛
精神を安定させる亜鉛は、精神を安定させるために不可欠な成分と言われています。亜鉛不足が続くとライラしたり落ち込みやすくなり、記憶力の低下、うつを招く原因になります。
・バナジウム
体内酵素の形成バナジウムは、牛乳やそばに極わずかに含まれるミネラルです。近年の研究では、糖尿病の血糖値を下げる働きがあるとも言われています。
◆水道水に含まれる塩素について
「水道水は飲めない」そんな決まりごとがあるかのように今では浄水器をつけたりミネラルウォーターを買ったりなど、水対策が成されています。昔は井戸水などもありとても飲み水はきれいだとされていたのですが、現在では逆に危険だという声もあります。水道水を直接飲む人は全体の3割程度だとも言われます。では水道水にはどのような成分が含まれているのでしょうか。水道水には、天然水やミネラルウォーターのようにミネラル成分が含まれています。ナトリウムやカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が含まれているのですが、それとは別に、やはり気をつけないといけない物質も含まれています。その代表が「塩素」です。そもそも、なぜ水道水に塩素が混じっているのかご存知ですか、私たちが生活排水として流しているお風呂やトイレの水、食器を洗った水などはそのまま下水道に入り、水道水の原水となっているのです。いろいろなところから流れ込んできた水ですので、そのままでは大腸菌や雑菌がうようよいますので水道水として使うことはできません。そこで塩素で殺菌するのですが、浄水場では塩素を2度投入して病原菌を殺菌消毒します。塩素は水道水の安全を確保するために必ず必要なものですので、水道水1リットル当たりに0.1mg以上の塩素が残るように決められています。 (これは日本での基準です)
この1リットルに0.1mgというのは浄水場から一番遠い家でも残らないといけませんので、もちろん浄水場から近い家ではもっと高い濃度になります。実際に、親戚の家でお風呂に入って、肌がかゆくなったことがありました。これは自宅より塩素濃度が高かったためかと思われます。
浄水場から一番近い家の塩素濃度は1mg/リットルにもなるそうです。これは、スイミングプールの塩素濃度よりも高い値だそうです。ここでは塩素のことを詳しく書きましたが、ほかにも腎臓機能障害やアルツハイマーを引き起こす可能性があるとされる「アルミ」や、水道水成分で最も危険だとされる「トリハロメタン」は発がん性物質と言われています。他にも流産の引き金になったり、肝臓や腎臓に障害を引き起こすのではとも言われています。また、「鉛」もよく聞きます。鉛管やアスベスト管は昔水道管の材質として使われていました。しかし、廃止され今でも急ピッチに取替え作業が進められていますが、全国の約20%がまだ鉛管やアスベスト管だそうです。この鉛管やアスベスト管から水が通るたびに鉛やアスベストの成分がわずかですが溶け出していると言われています。この鉛やアスベストも脳障害を引き起こしたり、痴呆の原因、腎臓障害、を引き起こすとも言われています。
1. 水道水を沸騰させて使うべき理由
水道水をそのまま使っている人は約4割という調査結果もありますが、水道水に含まれる「塩素」や、いわゆる「カルキ抜き」の方法が気になる人も多いのではないでしょうか。すでに知られていることですが、沸騰させて使うべき理由は「水道水に含まれる塩素を除去できるから」です。ただし、水道水を沸騰させた直後は「トリハロメタン」という発ガン性物質が約3倍に増加するため留意が必要です。
2. 水道水を沸騰させて安全に使うための3つのステップ
水道水を沸騰させると、塩素の除去と同時に殺菌もできますが、「トリハロメタン」という発がん物質だけは以下のように沸騰後に約3倍に増えてしまいます。トリハロメタンを除去するには「10~15分間沸騰」させておく必要があります。もし沸騰してすぐに火を止めてしまうと、わざわざトリハロメタンを増やした水を飲むことになってしまいます。気になる方は、以下の正しいステップで水道水を沸騰させて安全に使いましょう。
2-1. やかんや鍋を使うこと
トリハロメタンを除去するには_沸騰した状態を10~15分程度続ける必要があるため、やかんや鍋を使いましょう。電気ケトルや電気ポットは沸騰した状態を続けられないため、「水道水を安全に使う」という点ではおすすめしません。
2-2. ふたをしないこと
トリハロメタンや塩素は気化して抜けていくため、ふたをしないことが重要です。
2-3. 10~15分程度沸騰させること
トリハロメタンを除去するには10~15分沸騰させましょう。もし、10分以上待つのが面倒で、仮に沸騰後5分で止めてしまうとちょうど「トリハロメタンが最も多いタイミング」なので途中で止めるのはおすすめしません。
2-4. まとめ
正直、水道水を10分以上沸騰させて使うのは手間に感じた人も多いと思います。例えば「電気ケトル」や「電気ポット」はお湯を沸かすのに便利ですが、沸騰した状態を続けられないためおすすめできません。上記のような不便さを踏まえて、安全な飲料水を飲む方法を色々比べた結果、簡単で便利な方法として私はウォーターサーバーが最もおすすめと思っています。なぜなら、ウォーターサーバーの水は安全なので沸騰させる必要がなく、いつでも熱いお湯も冷たい水もすぐに使うことができるためです。なお、沸騰後にやかんや鍋に白い粉が残る場合があります。これは水分中に含まれるミネラル成分が固形化したもので、危険なものではありません。
◆蒸留水
蒸留水とは水を加熱などによっていったん沸騰させて気体の水蒸気にしてから、それを別の場所で冷却して液体に戻した純水(純度の高い水)のことです。この操作を蒸留と呼び、水の純度を上げるため(水から不純物を取り除くため)に行う。水の純度を上げる方法は何種類かあり、蒸留によってできた純水を蒸留水と呼びます。衛生上、最も安全な水といえば蒸留水です。蒸留水は塩類や有機物を取り除いた、化学的にみてほとんど純粋といえる水です。しかし純粋すぎて味がないのに等しく、これでコーヒーを淹れると味わいの乏しいものになってしまいます。つまり、水というものは塩類や二酸化炭素を適当に含んでいるほうが味覚的に良好なのです。
◆硬水 軟水、ふたたび
ミネラルウォーターを購入されている方であれば、知っていると思いますが、水には硬度が高く味にクセがある硬水と硬度が低く飲みやすい軟水の2つがあります。硬度が高い硬水を好まれる方もいますが、一般的に硬度が低く飲みやすい軟水を好む方の方が多いです。そして、硬度が高いかどうかはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分の量が影響しており、含有量が多いほど硬度が高くなります。また、ミネラル分が少なすぎても、不味くなる感じてしまうので、おいしいと感じる水道水にはミネラル分が適度に含まれています。残留塩素というのは、殺菌消毒する時に使用した時に残留する塩素のことで、水1Lに対して、塩素0.1mg以上入れないといけません。これは、法律で定められており、どの地域でもこのことは守られています。しかし、地域によって、含まれている残留塩素の量が違い、基準値ギリギリのところもあれば、量が多いところもあります。
塩素の濃度が高いとカルキ臭が強くなってしまい、不味く感じてしまいます。つまり、残留塩素が少ないところの水道水がおいしくて、多いところの水道水が不味いということです。また、水温が低ければ生理的においしいと感じるので、水温が高い水道水よりも低い水道水の方がおいしい水道水と感じます。
◆硬度
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といいます。WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」といいます。簡単にいうと、カルシウムとマグネシウムが比較的多く含まれる水が硬水になります。東京の水道水の硬度は60mg/l前後で軟水に、エビアンの硬度は304mg/lなので硬水になります。また、一般的には、硬度0~100mg/lを軟水、101~300mg/lを中硬水、301mg/l以上を硬水に分けられます。
見た目は同じですが、まろやかに感じたり重々しく感じたり、水にも風味があるのはこのため。成分の違いから、一般的に軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえを感じるようです。日本の水のほとんどが軟水で、ヨーロッパや北米には硬水が多く存在します。これは大地を形成する地殻物質が異なるためです。天然水は地中にしみ込んだ雪や雨水が地層中で汚れやゴミを濾過し、地層中のミネラルを吸い取って湧き出しています。日本は国土が狭く地層に浸透する時間が短く、ヨーロッパや北米の大陸では地層に接する時間が長いことが、硬水と軟水を生み出す要因のひとつとされています。水の硬度はその土地の食文化と密接に関連しています。肉がメインの西欧料理ではミネラルが不足しがちなため、ヨーロッパでは硬水で不足しがちなミネラルを補っています。日本も食の欧米化が進み、食事だけではミネラルが不足しがちになっています。食文化のグローバル化が進んでいるのにもかかわらず、水のグローバル化は遅れたままになっています。食事によって、軟水と硬水を飲み分けてみていはいかがでしょうか。
◆コーヒーに適した水は「軟水/硬水」
第一条件: 湯冷ましで美味しい水
コーヒーに適した水として「湯冷ましで美味しい水」という話がありますが、人肌程度の温度が一番味が分かりますので、その温度で美味しければ第一条件はクリアしていると言えます。コーヒー抽出液の約99%は水分ですから、水が不味ければコーヒーが不味いのは当たり前です。この当たり前のことを実行せずに「美味しくないコーヒーだ」と思っている方がおられるのも事実です。もし水道水を使うなら、一度は沸騰させて塩素とカルキ臭を飛ばしましょう。いったん沸騰させた水を、抽出用の細口ポットに移せば温度も適温の90℃前後になって美味しくいれられます。
第二条件: 軟水と硬水
さらに自分好みのコーヒーをいれるために水を選ぶとしたら、どのようなポイントがあるのか。日本の水(水道水を含む)は「軟水」、ヨーロッパ、アメリカの水の殆どは「硬水」であると言われています。韓国も「硬水」だそうです。そういう訳で、書物などのコメントは日本の水「軟水」でいれた場合を基準に書かれています。ところで、軟水と硬水ではコーヒーの味が異なるのでしょうか、「軟水」でコーヒーをいれると「まろやか」で「酸味」が出やすく、「硬水」でいれると、「苦み」が強調されます。自分の好みや、その日の気分に合わせて水を選ぶのも楽しい作業です。軟水で入手しやすいミネラルウォーターは「ヴォルビック」や「南アルプスの天然水」、硬水では「エビアン」「ヴィッテル」等があります。 ミネラルウォーターを購入する際は、一括表示部分をチェックして水の硬度を調べてみてください。
コーヒーに適しているのは軟水か硬水か
まったく同じコーヒー豆の品種、焙煎の度合い、抽出の仕方で、水だけを変えてコーヒーを淹れた場合、コーヒーの風味や香りはどのように変わるのでしょうか、ドリップコーヒーはもちろん、お手軽なインスタントコーヒーで試してみても、明らかな違いを感じるはずです。
軟水で淹れたコーヒーの特徴
「軟水」を使って淹れたコーヒーは、もともとの水質の特徴である「まろやかな甘さ」と、コーヒーの「酸味」が際立ちます。軟水ならではの“とろみ”にも似た口当たりのコーヒーが抽出でき、飲みやすさと共にコクや香りもしっかり感じられます。
硬水で淹れたコーヒーの特徴
「硬水」を使って淹れたコーヒーは、コーヒー独特の酸味は打ち消されますが、キリッとした「苦味」が際立ちます。水の硬度が高いほど、苦味のしっかり感は強まっていき、コーヒーの深みを味わうことができます。
水道水や天然水のほとんどが「軟水」の日本では、慣れ親しんだ口あたりの良さから、軟水で淹れたコーヒーの味が一般的になっているかもしれません。水自体にクセがなく、やわらかい口あたりの「軟水」は、コーヒー本来の甘味、酸味、風味を楽しみたい人、飲みやすさを求める人に適しています。一方、硬い口あたりの「硬水」は、コーヒーの苦味を引き出す作用があることから、ゆっくり時間をかけて1杯を味わいたい人、ほろ苦さを味わうエスプレッソ好きの人などにお勧めです。軟水と硬水それぞれの特徴を知っていると、コーヒーの味わい方の幅が広がります。その日の気分に合わせてコーヒーを抽出したり、自分好みの味を見つけたい時には、水の硬度に注目してみてください。
エスプレッソ抽出での水の差
好みによりますが、硬水を使って入れると、苦味に深み出てるというか、まろやかになるようです。マグネシウムやカルシウムの含有量の多い硬水、すなわち、エスプレッソの強い苦味に負けないある程度強い(個性の強い)水の方が、苦味にまろやかさが加わり、美味しく感じるのではないでしょうか。逆に、マグネシウムやカルシウムの含有量の少ない軟水だとエスプレッソの苦味に負けてしまい、コーヒーの苦味がストレートに伝わってきてしまいます。素直にお茶など本来の味を味わいたいときは、軟水の方が良いと言うことになります。つまり、紅茶や日本茶、アメリカンコーヒーなどは、軟水のようです。
◆カルキとは
カルキとはオランダ語が語源で「石灰」のことです。水道水の殺菌、消毒で使われるカルキと呼ばれるものは、ドイツ語のクロームカルキから来ていて、塩化石灰を指します。つまり、石灰なんです。塩化石灰というのは水に溶けると次亜塩素酸イオンになり、漂白、殺菌、消毒の効果が現れます。「カルキ臭い」というのはこの「次亜塩素酸イオン」が原因なのです。ですが、カルキを入れたからといって、完全に水がきれいになるわけではありません。さらに、塩化石灰に含まれている塩素は、微生物を分解するときにトリハロメタンという物質を発生させます。このトリハロメタンとは、なんと発がん性物質だといわれています。しかもカルキ、つまり塩化石灰は、髪や肌のタンパク質を破壊し、細胞に大きなダメージを与えます。 肌の保湿力などを低下させ乾燥肌を引き起こし、子供では免疫力の低下が起き、骨の軟化やアトピー性皮膚炎を悪化させる原因になるとも
言われています。また、このカルキのせいで、水道水の味を著しく低下させているということもあります。臭いがヒドイときは飲めないという方も多くおられます。カルキとは、水をキレイにして水道水の安全性を高めているのですが、私たち人間や動植物にとっては、有害な一面もあると言えそうです。金魚やメダカを水槽に放つ前に水道水の水質を整えないと、すぐに死んでしまうのもこの理由です。
◆カルキ抜き
水道水にはカルキと呼ばれている塩素が含まれており、これが人体に害を与えるといわれています。そのため、健康のことを考えるのであれば、水道水に含まれているカルキを抜いた方が良いでしょう。自宅でできる簡単なカルキ抜き方法を5つご紹介します。
その1 沸騰させる
一つ目の方法は水道水を沸騰させて、カルキを蒸発させるという方法です。この時に注意しないといけないのは、沸騰後しばらく加熱を続けることです。沸騰したからといって、すぐに加熱を止めてしまうと、完全にカルキを抜くことはできません。
その2 ハイポ錠剤
二つ目の方法はハイポというカルキを除去する錠剤を使用する方法で、熱帯魚や金魚などを飼育する際に有効です。
その3 レモン汁
三つ目の方法はレモン汁を入れて、塩素を分解させる方法です。水道水の中に含まれているカルキに還元作用のあるレモン汁を入れることによって、塩素が分解されます。また、レモンではなく、ビタミンCが含まれているものであれば、代用も可能です。
その4 緑茶を混ぜる
四つ目の方法は、緑茶を混ぜて塩素を分解させる方法で、これはレモン汁と同じ原理です。
緑茶にはカテキンというレモンと同じ還元作用のある成分が含まれており、このカテキンが塩素を分解してくれます。
その5 汲み置きする
五つ目の方法は、1日~2日くらい汲み置きして、カルキを蒸発させるという方法です。1日~2日くらい水道水を放置しておくと、塩素は蒸発され、熱帯魚や金魚などの飼育に使用できるようになります。
◆カルキ臭
水道水には塩素と次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターの内容物)の2種類の殺菌成分が含まれています。いずれも、一般にカルキ臭と呼ばれる独特の臭いがあります。沸騰させると塩素はすぐに揮発して無くなります。気体ですから当然です。次亜塩素酸ナトリウムも沸点が101℃ですので、揮発するか、分解して無くなります(分解温度は60℃程度)。その結果、カルキ臭が無くなるのです。なお、この沸騰の際に、トリハロメタンが生成するとの話もありますが、極めて微量です。塩素がトリハロメタンになるにはかなり特殊な条件が必要であり、そんな反応が起こる前に塩素は飛んでしまいます。 次亜塩素酸ナトリウムも酸素と反応して塩化ナトリウム(塩)を生成する反応が主に進行しますので、トリハロメタンの生成も極めて少ないでしょう。仮にトリハロメタンが生成してもトリハロメタンは水よりも沸点の低いものですので、水を沸騰させると減少していきます。また、塩素も次亜塩素酸ナトリウムもほっておくと自然に無くなるものです。たたただし時間は要します。なお、浄水器や煮沸した水道水は、殺菌成分が取り除かれてしまっているので、空気中の雑菌などで簡単に汚染されやすくなります。すぐに飲むのがベスト、保存するのはよくありません。
◆水道水の中の気体
水の中には水だけで無く、酸素や二酸化炭素等の気体も溶け込んでいます。加熱する事により、溶け込んでいる気体が気体の状態に戻り、気泡になります。加熱初期に発生する気泡は、主に溶け込んでいる気体が出て来た物と考えて下さい。さらに加熱を続けると、水自体が気体(蒸気)に変化し、大量の気泡が現れます。これが沸騰の状態です。一度加熱し、溶け込んでいる気体を気泡として放出した水は、溶け込んでいる気体の量が少なくなっているので、一旦冷やしてから再加熱しても気泡の量は少なくなります。ただし、冷却した状態で長期間放置すれば、再び大気中から気体が溶け込むので、最初に加熱した時と同じ状態になるはずです。
◆水道水に溶け込んでいる気体(=空気)
空気は78.03vol%が窒素、20.99vol%が酸素、0.933%がアルゴン、0.030%が炭酸ガスです。水(1cc)への溶解度は標準状態ガス換算で、窒素0.024cc(0℃)、0.016cc(20℃)、酸素0.049cc(0℃)、0.031cc(20℃)、アルゴン0.053cc(0℃)、0.035cc(20℃)、炭酸ガス1.71cc(0℃)、0.88cc(℃)です。深夜から早朝に室温が下がったところで溶解が進み、その温度とガスの分圧に対応する分が水に溶け、朝やや室温が上がって溶けきれなくなってそれが出てくるのでしょう。
水道水には、できるだけ空気が溶け込まないように給水されているのですが、どうしても少量の空気は含まれてしまうものです。水道水は加圧(圧送)されていますが、とうぜん加圧すればするほど、水道水に溶け込む空気の量は多くなります。
※空気に含まれる気体の割合
1.窒素78% 2.酸素21% 3.アルゴン1%、ここまでで100%になってしまいますが,以下は微量です.4.二酸化炭素0.032% 5.ネオン0.0018% 6.一酸化炭素0.000012%、この他,水(水蒸気)が1~2.8%の間を変動するのですが,変動するので普通はランキングから外されています。ヘリウム0.00052%と書いてある資料もあります。
◆喫茶店で「水」が運ばれる理由に、触れてみます
・口直し
初めはブラックで飲んでいただき、口に合わない場合は砂糖やミルクなどを入れて、再度飲んでいただくのがお店のマナーらしく、ブラックで口に合わなかった人のための口直しの意味があるそうです。
・口臭予防
・利尿作用に対する水分補給
・オーダー確認 きちんとご注文を取ったかの印
・歓迎サービス
一息ついてご注文をお選びくださいという意思
6. 賞味期限
6.賞味期限
◆生豆
◇生豆の保存ポイントは過保護にしないということです。とりあえず、日の当たらない風通しの良いところに置いておくのが良いでしょう。
長期保存する場合は、湿気を嫌うので通気性のよい袋に入れてちょっと高い所に置くか、ぶら下げておいても良しです。 風呂場のような湿ったところに置かなければ、大丈夫です。
直輸入などの採れたての生豆を、フレッシュな状態のまま保存したい場合は、密閉して冷蔵庫に入れておくのも効果的です。 ただしその場合は、結露しないように冷蔵庫から出したら常温に戻るまでビンの蓋を開けないように気を付けてください。
また、冷蔵庫の中では他の食品の臭いが付く恐れがあります。臭いが移らないよう、必ず密閉した状態で保存して下さい。とりあえず、「生豆」は生きている種子です。長く保存する場合は、過保護にしないで風通しの良い所に置いておくのが一番です。
保存状態が良ければ、3年は保存できます。私が家で保存している生豆は、通気性の良い袋に入れて放ってありますが、5年以上経った今も現役です。
古い生豆は水分が抜けて、焙煎しやすく味もまろやかになりますが、豆の本来の香りや個性が失われていきます。新しい生豆は個性豊かな美味しさがありますが、まろやかさは感じにくくなります。 古い豆も新しい豆も、長所・短所がありますが、それなりの美味しさがあります。 同じ豆でも、焙煎時期をずらすことによって、違う味わいを楽しめるのです。
◇生豆は、木材のように周りの湿度によって水分を放出したり取り込んだりします。水分は12~13%と高め。密閉していると、かえってカビが繁することもありますので、通気性の良い容器またはビニール袋等に呼吸穴を空けたものに入れて、日が当たらない風通しが良い場所に保存しましょう。 保存状態(特に湿度)に気を付ければ、ご家庭でも数年保存いただけます。生豆は、古くなるほど失われる個性もありますが、寝かせることでまろやかな味わいが生まれることもあり、一定の条件で保存し、オールドビーンズ(オールドクロップ)として味わうこともできます。
1.短期間(直ぐに焙煎 ~ 2・3ヶ月)
この場合は、高温、高湿、直射日光を避ければ、特に、気を使う所は、無いのですが、理想は、低温の冷暗室です。容器は、通気性のある物、例えば紙、布等の袋でもOKです。
2.長期保存(オールドクロップを作る)
珈琲豆は、品種、銘柄で分ける方法と、採れてからの時間経過で分ける方法があります。
(1)ニュークロップ(その年に採れた新しい豆。グリーンとも言う。)
含水量が多く、焙煎し難い。珈琲豆本来の味と香りがする。
(2)オールドクロップ(採れてから、3年以上経過した豆)
含水量が少なく、焙煎し易い。味や香りの角が取れてマイルドの傾向になる。
3.保存方法(作り方)
容器は、豆がこぼれないメッシュのカゴ、又は、布の袋。保管場所は、風通しの良い、直射日光の当たらない場所で自然乾燥。時々、豆をかき混ぜ、高湿の梅雨期には、冷暗室に取り込む等の配慮が出来れば理想です。また、違った技法ですが(ダブル焙煎という)、焙煎機で一度強制的に水分を抜いてしまい、オールドクロップ状態に、一瞬にしてしまう技法もあります。
◆焙煎豆、粉
1.賞味劣化要因
◇温度
温度が高くなるほど、傷みやすくなります。学者らの研究によりますと10℃上がると賞味期間が約1/2になるそうです。(できるだけ低温での保存が良い)
◇湿度
湿度が高くなるほど、傷みやすくなります。特に焙煎した後の煎り豆は吸湿しやすいので注意が必要です。(缶の蓋や袋の口をきちんと閉めて保存する)
◇酸素
酸素が存在すると傷みやすくなります。(上記と同様に密封保存する)
◇光
光を受けると傷みやすくなります。特に直射日光(紫外線)は厳禁です。
2.保管場所
◇冷凍庫
最も適している。長期の保存に向く。
賞味期限は豆で焙煎後1~2ヶ月程度、挽いて3~5週間程度である。香り・味など、さほどの品質低下もなく保存できる。但し、庫内よりの出し
入れが頻繁な場合はむしろ、冷蔵庫がよいこともある。(外へ出したときに吸湿することがある)
焙煎後のコーヒー豆の水分含有率は約1%。なので凍らない。冷凍庫は冷蔵庫より空気の回りがゆっくりなので、においも吸いにくい。
◇冷蔵庫
適している。中期の保存に向く。
賞味期限は豆で焙煎後1ヶ月程度、挽いて2~3週間程度である。珈琲豆店では商品を見せる必要から、低温(冷蔵)ショーケースで保管する場合が
あるが、今のところ一番無難な方法と思われる。できれば8℃以下が望ましく、15℃位になるとやや傷みやすい。
ただし、コーヒの脱臭作用によって冷蔵庫内のにおいがコーヒーに移ってしまう。コーヒーを淹れたときに冷蔵庫内のにおいがすることもある。
◇冷暗所
短期間の保存と考えるべきである。
例えば食器棚などの場合、冬季はさほど問題ないが夏季は保存条件としては適しません。賞味期限は冬季、豆で焙煎後2~3週間程度、挽いて1週間~10日間程度である。同じく夏季では、豆で焙煎後5~10日間程度、挽いて3~5日間程度である。
◇常温室内(冬季 低温)
保存場所として、あまり適していない。 常温の缶や豆樽・保存ビン等で保管している場合、品質の維持はさほど期待できないと思われる。賞味期限は長く見積もっても焙煎後5~7日程と思われます。
◇常温室内(夏季 高温)
保存場所として、完全に適していません。 せいぜい、その日か次の日の消費分くらいに留めるのが良い。常温の缶や豆樽・保存ビン等で保管している場合、品質の維持は全く期待できないと思われる。夏季は人のいない室内は蒸し風呂状態であり、賞味期限は焙煎後2~3日程と思われます。
◇日数経過と味
焙煎後2時間経過すると酸化が始まります。焙煎した翌日、または翌々日くらいの豆が、 何とも言えない芳醇な香りがして、クラクラっときます。 では、焙煎したての豆はダメかというと、強い香りはありませんが、とても透明感のある味わいが楽しめます。
あえて使うと「ピュアな味わい」ってところでしょうか。焼きたてでしか味わえないこの感覚も、結構クセになります。 このクセは、自宅焙煎にのめり込んでいる方によく見られる症状です。
焙煎後日数 室内常温保存の場合 冷凍・冷蔵保存の場合
焙煎当日 鋭い味でさほど美味しくない 鋭い味でさほど美味しくない
1~2日後 強い香りとまろやかな味 ほのかな香りと強い味
3~4日後 やや弱い香りとまろやかな味 強い香りとまろやかな味
5~7日後 夏季は粉の場合、香味は薄い やや弱い香りとまろやかな味
約10日後 夏季は味・香りが濁る 弱い香りと柔らかい味
約20日後 冬季でも香味、少なくなる 香り少なく、味も薄くなる
約30日後 粉の場合、このあたりまで
約50日後 豆の場合、このあたりまで
コーヒー豆は、焙煎直後は特に二酸化炭素をたくさん含んでおり、粉の状態になると多くが失われますが、5~3割ぐらいは残ります。二酸化炭素は、豆の酸化を防ぎ、徐々に抜けると共に香りの成分を放出します。つまり二酸化炭素が残っているほど、風味の良い新鮮なコーヒー
いえます。特に、真空包装を常温で置いているとこの現象がよくみられます。これは二酸化炭素が袋の外に出られなくて膨張したためで、袋に穴が空いてゆるんだわけでありません。水分を失った焙煎豆は、軽くなり、ひじょうに乾燥しているため空気中の水分を吸収しようとします。焙煎した珈琲豆の保存に水分が大敵となるのはそのためです。逆にその性質を利用して珈琲豆を挽いたものは、吸臭剤としても使われる事があります。
珈琲の賞味期限は、焙煎からおよそ2~3週間です。珈琲は焙煎直後から成分の化学変化が始まり、豆の種類や焙煎度合いにもよりますが、香りやコクがバランスよく出てくるのが、焙煎後3、4日経過したころです。豆のまま(挽かない状態)で1~2週間目あたりが上質な香りのピークとなり、3週間以上経過すると、珈琲豆に含まれる諸成分が酸化を始めてしまいます。コーヒーは、焙煎直後から内部ガスを放出していきます。このガスこそ香り成分なのですが、面白いことに焙煎して2~3日は、あまり香りを感じられません。焙煎後3日程度経過したころから、香りが豊かになると共に苦味やコクも急速に出てきます。下のグラフは、平均的なコーヒーが経時変化によって風味がどのように変化するかを現したものです。※豆(挽かない)の状態で、冷暗所に保存した場合です。
このグラフでも分かるように、香りは1週間目前後にピークを向かえ、その後緩やかに下降していきます。一方、苦味とコクは緩やかな上昇を続けますが、2週間前後を境に、苦味成分が香りを上回ります。
3週間ほど経過すると、香りを殆ど感じられなくなり、悪く言えば苦いだけのコーヒーになってしまいます。そして、これ以上経過したコーヒーは、普通の食料品同様「酸化」を始めます。焙煎されてコーヒーは、茶色く色づいていることから、酸化してしまっても見た目には判断がつかないため、経時劣化したコーヒーを口にしている場合が少なくありません。
焙煎直後のコーヒーの味は
焙煎したコーヒー豆は、例えていうなら炭のような、小さな穴がたくさん開いている「 多孔質状」の構造をしています。つまり小さな部屋がたくさあるような感じを 思い浮かべていただけるといいと思います。その部屋の中には、二酸化炭素を中心とした気体の成分(以降「ガス」)が たくさん詰まっています。特に焙煎直後は部屋の中にそれでパンパンになって いるような状態です。このガスには、コーヒーのいい香りの成分ももちろん 含まれています。焙煎から間もないコーヒー焙煎豆を使ってコーヒーを淹れると、お湯を注いだ 瞬間に大きく膨らみますが、これはこのガスが一気に外に出てくるために起こる現象です。それは確かに新鮮な証拠ではあるのですが、実はこれによってコーヒー の抽出状態(お湯によって効率よくコーヒーの成分を取り出せる状態)があまり 良くない状態になってしまうのです。
<焙煎当日のコーヒーは『落ち着いていない』味>
要はコーヒー豆の部屋の中にお湯を入れていってコーヒーの成分を溶かし 出したいのに一気に大量に外に出てくるガスがそれを邪魔する、といとわかりやすいでしょうか。
これはどんな淹れ方でもそうで、圧力をかけるエスプレッソやSteampunkと いったものはよりその影響が大きくなってきますし、カッピングですら焙煎直後は正確にフレーバーを感じることは困難になるほどです。ひとことでいうと「落ち着いてない」感じの味になりがちです。
やむを得ず焙煎当日のコーヒー豆をSteampunkで淹れるときは、先にコーヒーを挽いてからマシンを始動させていることがありますが、これは実はある程度ガスを飛ばして良い抽出状態を作るためにやっていることなのです。
<焙煎2~3日後からコーヒーが美味しくなってくるわけ>
ここまで読んで頂ければもうお分かりかもしれませんが、焙煎から少し時間が 経つことによってガスがほどよく抜けてきだすことで、良い抽出状態を作り やすくなって、コーヒーの味がよくわかるようになる、というわけなのです。
<焙煎直後の味は?>
焙煎後、すぐに挽いてコーヒーを淹れてみました。炭酸ガスが大量に含まれていることからモコモコと豆が膨らみます。この炭酸ガスによって、味が安定しなくなると言われています。味を安定させるために、炭酸ガスをある程度抜かす必要があるので、2、3日寝かせるというのが一般的です。ですが、今回は即飲んでみます。味は…「美味いです!」やっぱり落ち着いて癒されます。が、寝かせた後とはやはり味が少し違うように感じました。少しライトな感じがします。味に深みが弱いというか軽い感じの印象はありました。これが焙煎直後のコーヒーのデメリットでしょうか。ただ、飲めないというほどではなく、普通に美味しいです。なぜ、2、3日寝かせる必要があるのか?
喫茶店は、コーヒーがメインの専門店になります。その店のオリジナルブレンドコーヒーもあるでしょう。そのブレンドコーヒーが淹れる度に味が変わってしまったら、プロとは言えません。常に最高のクオリティを安定して出せるのがプロだと思います。そのため、焙煎直後でも十分に美味しいですが、プロとしては味を安定させるために寝かせる必要がある。というところから、焙煎後3日目以降が飲み頃というのが広まったのだと思います。もちろん、寝かせたら美味しくなります。味に深みが出ます。でも、焙煎直後は焙煎直後の良さがあると思います。
喫茶店や通販ではなかなか焙煎直後のコーヒーを飲むことは難しいと思いますが、焙煎したての豆を店頭販売しているお店であれば、その日のうちに挽いて淹れて飲むことは可能です。焙煎直後から毎日1杯ずつ飲んで、味がどのように変化していくのかを楽しむのもおもしろいものです。
◆抽出液
1.ホットコーヒー
◇酸化は、光、温度、空気によって酸化していくのですが、淹れたコーヒーは、どんどん酸化していき風味が落ちていきます。そのため、お店などでは落として30分経過したコーヒーは破棄するところも多いかと思います。ただし、風味を気にしないのであれば、 保存は可能です。淹れたコーヒーは、お湯で作ってしまうと、熱ですぐに酸化が始まりますので、 作る際は、水出しで淹れて保存する方法が酸化しにくくなります。
◇温かいコーヒーの場合、魔法瓶などで保存するという方法がありますが、どんな入れ物に入れていても、熱によって酸化が進みます。
コーヒーメーカーの保温機能によって、保温されたコーヒーが酸化して酸っぱくなったり、美味しくなくなるのと同じ原理です。ですので、温かい状態で保存、持ち歩きたい場合は、お勧めできる方法はありません。その都度淹れてコーヒーを飲まれることをお勧めします。持ち歩きたい場合は少々面倒ですが、お湯を魔法瓶に入れてその都度作る、もしくは出先に電子レンジがあるのならアイスコーヒー(水出しコーヒーなど)を持っていき、マグカップなどに移して温めるという方法をとる方法が良いと思います。
保存期間(賞味期限)の目安は?
温かい状態での賞味期限は、風味という観点から30分以内。1時間もするとかなり風味が落ちていて美味しくありませんし、30分以内でも美味しくなくなっているかもしれません。
冷めたコーヒーは何故マズイ
1.酸化。
当然冷めると酸化はします。その酸化を最小限に抑えることです。
2.元々マズイ
人間の舌は熱い時よりもぬるい時の方が味の変化に敏感になります。豆の鮮度、淹れ方など、そもそもそこからマズイ可能性はあります。熱いからマズク感じなかっただけかもしれません。私も以前冷めた時にマズク感じ、色々と試してみました。まず、チャフ(薄皮)を取り除く。私は普段臼刃の手挽きミルで歯の位置を最低にして、豆を砕くようにして豆とチャフを分けます。その後新聞紙に一旦広げて揺すりながら息を吹きかけてチャフを飛ばします。これでチャフはほとんど無くなります。その後電動ミルで挽きます。こうして入れたコーヒーは冷めても全然渋みが強まらずおいしくいただけます。あと低温で淹れる。といってもコーヒーを一番うまく抽出できるのは82~84℃と言われていて、そこら辺で淹れれば美味しくいただけます。また、あまり浅煎りの豆は使用しないこと。ハイ・シティなどが一番バランスが良いです。ミディアムはどうしても冷めてから酸味が強まる傾向があります。
焙煎したコーヒー豆と同じ。冷める過程で酸化するからです。「すっぱくなる=酸化している」ということです。喫茶店で淹れるアイスコーヒーは、急冷や水出し等で酸化を最低限に抑える工夫をしています。冷蔵庫で冷やした場合も同様です。ゆっくり冷えるため、酸化が進んでマズくなります。
逆に、温め直した場合ですが、度を超すと「えぐ味」が出てマズくなります。基本、淹れたら(開封したら)保温しても20~30分で味は劣化するものと思ってください
おおまかにはホットコーヒーは中煎り、アイスコーヒーは深煎りなんです。アイスは温度が低い分舌が苦みを感じにくいです。ですので酸味は強く感じます。
2.アイスコーヒー
常温に置いておくと酸化に加え雑菌の繁殖が出てくるので、基本的には冷蔵庫での保存となります。保存方法としては、水出しコーヒーポットで作りながら冷蔵庫で保存されるか、水出しで作られたもの、もしくはぬるめのお湯で溶いて水を入れたり氷を入れて冷ましたものを密閉できる容器に入れて、封をしっかりとして冷蔵庫で保存という形になります。
保存期間(賞味期限)の目安は
目安としては、24時間ですが、2~3日程度なら保存は可能かと思います。ただし、時間が経つにつれ風味は損なわれていきますので、できるだけ早めに飲まれることをお勧めします。なお、2~3日以上保存することは可能で、 実際1週間保存されている方もおられます。ですが、水の質やコーヒーの濃さなど様々な状態で劣化速度は変わってきますので、目安としては、やはり2~3日が無難かと思います。
5. 焙煎
5.焙煎
焙煎(ロースト)とは、コーヒーの生豆を炒る加熱作業のことです。収穫・精製された生豆は淡緑色をしており、味も香ばしさもほとんどなく、この状態では飲むことはできません。焙煎が進むと豆は茶褐色、さらに黒褐色へと変化していきます。焙煎によって、豆に含まれる成分が化学変化を起こし、揮発性の素晴らしい香りや、苦味、酸味、甘味といったコーヒー独特の風味が生まれます。焙煎時間や熱のかけ方の違いによって、コーヒー豆には浅炒り・中炒り・深炒りといった焙煎の度合いが生じ、コーヒーの風味が大きく変化します。
【焙煎度について】
焙煎度は、全部で8段階に分かれています。一般的に、浅く炒ったものほど「酸味」が強く、深く炒るほど「苦み」が強く感じられるようになります。このことは生豆に含まれているさまざまな成分が、焙煎時に化学変化を起こし、酸味や苦味が生成されていることを示しています。この変化が、コーヒーの色、味、香りに大きな影響をあたえ、独特の風味をもたらします。
❶ ライトロースト
うっすらと焦げ目がついている状態。黄色がかった小麦色。香り・コクはまだ不十分。
❷ シナモンロースト
シナモン色。ごく浅い炒り方で、まだ青臭く飲用には適さない。
❸ ミディアムロースト
茶褐色。アメリカン・タイプの軽い味わい。
❹ ハイロースト
ミディアムよりやや深い炒り方。喫茶店や家庭で飲まれるレギュラーコーヒーは、この段階のものが多い。
❺ シティロースト
最も標準的な炒り方。鮮やかなコーヒーブラウン。これも喫茶店や家庭で味わうことが多い深さ。最近ではエスプレッソ用としても用いられる。
❻ フルシティロースト
ダークブラウン。アイスコーヒー用の豆を炒るときはこの段階まで熱を加える。「炭焼珈琲」もこのタイプが多い。シティ同様エスプレッソにも用いられる。
❼ フレンチロースト
強い苦味と独特の香りが楽しめる。カフェ・オ・レやウィンナーコーヒーなど、ヨーロピアンスタイルのアレンジメニュー向きである。
❽ イタリアンロースト
色は黒に近い状態。強い苦味と濃厚な味わい。これが最も深い炒り方で、かつてはエスプレッソ、カプチーノなどに使用されることが多かった。
【手順、ポイント】
① 火にかける。
中火で高さ10〜15センチくらいのところで、水平に保ちながら網をしっかり振ります。焼きムラができないように、手首を使ってリズミカルに揺すり続けます。3分ほどすると水分がけ、少し色づいてきます。そのまま炒り続けると、薄皮が取れて薄茶色に変化してきます。
② 1爆ぜ(ハゼ)
さらに10分くらい炒り続けると、パチパチとはじける「爆ぜ(ハゼ)」の音が聞こえてきます。1ハゼが終わった時が「中炒り」
③ 2爆ぜ(ハゼ)
焙煎開始から15分くらい経つと、再び「チリチリ」という音がしてきます。これが2ハゼで、豆が十分に膨らんできた証拠です。ここまで炒ると、煙が出てコーヒーらしい香ばしい香りがし、「中深炒り」程度になっています。ここからは焙煎の進行も早いので、好みの炒り加減を見極めて火から 下ろしてください。
④ 焙煎後は素早く冷ます。
火から下ろしたら網にあげます。豆にこもっている熱でも焙煎が進んでしまうので、うちわやドライヤーの冷風などで急冷します。粗熱が取れたら、そのまま置いて完全に冷ましてできあがり。
Point1:爆ぜ(ハゼ)について
焙煎によって豆の内部が熱膨張することで、内部が割れて「パチッ」という「爆ぜ(ハゼ)」音が聞こえます。焙煎時間によるハゼの目安は図のようになります。
Point2:薄皮に気をつけましょう
焙煎中には豆からはがれた薄皮(チャフ)が舞うので、ご自宅のキッチンで焙煎する場合は気をつけてください。カセットコンロをお持ちの方は、屋外(風のない日に)で焙煎するのも良いでしょう。
Point3:焙煎した豆の抽出について
焙煎したてのコーヒー豆はガスを含んでいるため、焙煎後すぐに淹れるとお湯とコーヒーがなじみにくく、あっさりした味わいに抽出されることもあります。お好みにもよりますが2日くらい置き、少しガスが出てから淹れても良いでしょう
【伝熱方式による焙煎の違い】
焙煎には様々な伝熱方法がありますが、焙煎方法ごとの特性と、生豆が持つ特性を考慮して、最適な焙煎時間や加熱方法をとる必要があります。
❶ 直火式焙煎
焼き鳥、うなぎ、網焼きステーキなどのように、文字通り生豆に直接火をあて炒る方法が直火式焙煎です。手網を使った焙煎もその一つ。コーヒー豆は直火で加熱すると焼きムラが生じやすく、中心部まで均一に焼くことは難しいです。プロたちは卓越した焙煎技術によって、香りやコクがストレートに出た、メリハリある独特の風味を作り出しているといえるでしょう。
❷ 熱風式焙煎
直火ではなく、熱源から発生した熱風を使用した焙煎方法です。熱風式焙煎は外部のバーナーで発生させた熱風をドラムに送り込み加熱するため、熱量のコントロールをしやすく、ムラなく均質に炒り上がります。この方式は、豆が持つ個性を安定的に出しやすく、大量のコーヒーを効率よく焙煎することができるため大型工場など多くの場所で使用されています。
❸炭焼コーヒーの焙煎
炭火による間接加熱で作られるコーヒーを炭焼コーヒーと呼びます。炭の熱源は赤外線の放射量が多く、温度変化の上下差が少ない点が特徴と言えます。炭火は長時間の焙煎に適した熱源であり、間接加熱として利用した場合、コーヒー豆の表面から中心部にかけて均一に加熱することができます。焼きムラのない、コーヒー豆の持つ特性がよく出たコーヒーであるとともに、炭火特有の香ばしい香りが独特の風味を醸し出しています。
◎遠赤外線焙煎
備長炭と同じ遠赤外線で焙煎するセラミック遠赤外線コーヒー焙煎機があります。
遠赤外線のもつ「物質の分子を振動させる働き」により、じっくりと豆の内部まで加熱し、芯からふっくら香り高いコーヒーを焙煎することができます。遠赤外線加熱で、コーヒ豆の繊維を壊さないので、豆本来の味を閉じ込め、香り長持ち。雑味や苦味、渋みを抑え、香り、甘み、コクを楽しめる仕上がりです。
4. 体調と味覚
4.体調と味覚
味を感じるメカニズムとは、私たちは“味覚”をどのように感じているのでしょうか。口の中を見てください。舌の表面には、ブツブツとした突起が無数にあります。これが味蕾と呼ばれる、味を感じるセンサーです。舌の部位によって、辛みや酸味、甘みといった、さまざまな味を感じるセンサーが備えられています。食べ物を口に入れたとき、その中の化学物質とこのセンサーが結合し、味成分が分析されます。そして、この結果は脳神経を通じて脳に送られ、味を感じます。脳の中でさらに処理され、これまで経験した味との照合が行われ、最終的に、なんの味かということが分かるシステムです。この照合には、高度な脳機能が使われます。 食べた瞬間に、昔の光景が思い浮かんできたり、腐っていると判断して吐き出したり、酸っぱいと判断して唾液をたくさん出したり、味を感じるだけではありません。例えば、感情的に落ち込んでいるときには、どんなものを食べてもおいしく感じられないし、そもそも味がよく分からないというのは、そのような脳の機能によるのです。
○整理的に、おいしく感じるもの
・空腹時 → カロリーになりやすい糖分や脂肪
・喉が渇いている時 → 冷たい水分
・身体中の塩分濃度が低い時 → 食塩
・肉体疲労時 → 代謝を促進するクエン酸等の有機酸
・精神疲労時 → 苦味の多い薬効成分
例えば、汗をかいて喉が渇いたときは、冷たい水やビールが最高においしく感じます。一方、肉体仕事をしてお腹がすいているときは、旨味のある濃醇で甘口タイプの日本酒がおいしく感じます。また、スポーツで身体が疲れたときは、酸味を感じる味覚が弱まり、疲労物質の代謝を促進する酸っぱいものがおいしく感じます。長い会議などで精神的に疲れると、苦味の感覚が弱まり、刺激の強いブラックコーヒーがおいしく感じるのです。
○習慣的に、おいしく感じるもの
味覚や嗅覚は、食べられるかどうかを見分けるために発達したと言われるように、食べ物の基本は安心して食べられるかどうかです。したがって、いつも食べ慣れているものは安心できるので、おいしく感じるようになっています。お袋の味と言われるものは、正にその代表です。西洋人に鰹節のダシがよくきいた吸い物を飲ませますと、旨味はおいしいと感じるのですが、香りは生臭い、魚臭いと言って嫌います。
また、酒造りをしている人にどこの酒がおいしいかと聞くと、必ず自分の蔵のレギュラー酒という答えが返ってきます。初めの頃、義理でそう答えていると思っていたのですが、そうではなく、飲み慣れているため、実際に自分の蔵の酒を一番おいしく感じているのだということが分かりました。
○精神的に、おいしく感じるとき
食べたり飲んだりする時、まず口にする前に、その食品に関する色々な情報から、味わいなどをイメージし期待を持ちます。そのイメージと、実際に口にした時の香味の感覚が合っている場合は、おいしいと感じます。その情報には、容器の形や色、ラベル、裏張りの説明文などがあります。例えば、黒ビンに楷書体の漢字で書かれたラベルに入っている酒であれば重厚な味わいを、水色のスモークビンにひらがなのやさしいラベルであれば、ソフトで軽快な味をイメージさせます。そして実際に中身の酒を飲んでみて、その香味がイメージに合っていれば「おいしい」、違っていれば「まずい」となります。また、仲間と飲んでいるときに、声の大きい人が「この酒はおいしい」というと、周囲の人たちも最初はそうは感じなかったけれど、なんとなくおいしく思えてしまうことがあります。お酒は特に、この傾向が強いようですが、これも精神的おいしさの一種だと言えます。
○肉体疲労時の特徴
疲れると「活性酸素」が生まれます。活性酸素は体にダメージを与えるので、それを防ぐために酵素(SOD)が使われます。酵素(SOD)が活性酸素を破壊して、体は守られる。
このSODと呼ばれる酵素は、体内で作られます。酵素を作る時に使われる原料が「亜鉛」なのです。亜鉛は他にも、アルコールを分解する酵素など、いろいろな酵素の原料となります。ところが亜鉛自体の量は限られているので、酵素でたくさん使われると他に回りません。「亜鉛」は、味覚を感じるためにも使われます。亜鉛が他で使われると、味覚に回ってきません。そのため「味覚障害」が起きます。
「疲れていると酸っぱく感じるクエン酸ドリンク」などの製品がありますが、体調によって味覚が変わるのです。酸っぱいものを甘く感じたり、いつもより塩辛く感じたり。そのメカニズムがわかれば体調をチェックするバロメーターにもなるようです。
味覚が変わった経験はありますよね。レモンや梅干しなど酸っぱいものがいつもより甘く感じる、逆にいつもより酸っぱく感じる、しょっぱいものが凄く塩辛く感じる、コーヒーがいつもより苦いなど、味覚が変わったな、と感じる経験はあるはずです。 一過性のものである場合もあれば、一度変わった味覚がそのまま続くこともあります。これにはさまざまな理由がありますが、体調の変化を教えてくれていることもあるので覚えておきたいものです。
まず、ナトリウムが不足しているとクエン酸を甘く感じます。クエン酸ナトリウムが入っているスポーツドリンクなど飲んだ時、喉が渇いていると甘く感じるのに、通常時は少し酸っぱかったり、しょっぱくて美味しくないと感じることが多々あります。これは汗をかいたり水分が不足して体内の塩分(ナトリウム)が薄くなると、体がナトリウムを補給しようとし、本来酸味のあるクエン酸を甘いと認識することで、たくさんのナトリウムが補給できるように脳が指令を出しているのです。そのためナトリウムが十分な時には必要以上に摂らないよう、酸味やしょっぱさを感じて美味しく感じられないようになっているのです。
また、刺激を強く感じるときは体が弱っています。苦みや酸っぱさは、本来毒のあるものや腐敗したものの味覚と共通しています。人間の生存本能として、苦いもの、酸っぱいものは体が拒否しようとします。しかし、飲食しても問題ないという経験や旨味や香りといった別の要素が複雑に絡み合って、苦かったり酸っぱくても美味しいと感じるのです。しかし刺激物には違いありませんから、体調が弱っている時には防御本能でより苦く感じたり酸っぱく感じるというわけです。刺激物がいつもより濃く不味く感じる時は、体が刺激物を避けていると思ってみてください。
○精神疲労時の特徴
人はストレス状態では味の感受性が異なることが知られています。疲労やストレスが貯まると唾液の性状が変わることによって肉体的疲労時は酸味、精神的疲労時は苦味を一時的に感じにくくなることがわかっています。
これは日ごろ私たちが激しい運動をした後に、酸っぱいレモンや梅干しを食べるといった行動に現れています。
同じように仕事や対人関係でストレス状態の時に、渋いお茶やコーヒーを無意識で飲む行動は、肉体的疲労時に疲労回復作用のあるクエン酸を得ているのと同様、精神的疲労時には苦味を感じにくくすることで、苦味のある食べ物の薬理作用を利用していると言われています。
また、甘味もストレスを受けた後では強く感じるようです。苦めのチョコレートを使った実験で、ストレス前後では後の方が甘味を強く感じ、苦味を弱く感じることが報告されています。つまり精神疲労の後にチョコレートを食べたくなるのは、平常時よりも美味しさが増加しているからなのです。
○病気や体調不良時の特徴
舌には味覚を感ずる味蕾とよばれる細胞があり、そこからの刺激が神経を経て脳に伝わり、甘い、塩辛い、酸っぱい、苦いなどの味覚として感じます。味覚障害は、このような味覚細胞と神経の伝達機構に障害のあるときに起こる異常です。
(1)亜鉛欠乏による味覚障害
亜鉛は必須微量栄養素のひとつです。偏食、朝食抜き、ファストフードやコンビニの弁当で食事を済ますという食生活が習慣になると亜鉛欠乏症になります。
(2)薬剤による味覚障害
薬による味覚障害も時々見られます。降圧利尿剤・解熱鎮痛消炎剤・抗ヒスタミン剤・ペニシリン系を中心とした抗生物質・制ガン剤・副腎皮質ホルモン剤などの長期連用・併用で尿に多く亜鉛が排出されるために味覚が障害されることがあります。投与中止で味覚は元に戻りますが、回復に時間がかかることもあるようです。
(3)全身の病気による味覚障害
溶血性貧血・糖尿病・胃切除・肝疾患・ネフローゼ・透析・腫瘍・膠原病・内分泌機能低下・新型コロナウィルス感染などが挙げられます。
(4)口腔の病気による味覚障害
舌の病気である舌炎や舌苔(ぜったい)口内乾燥症・かぜによる喉の病気でも味覚障害をおこします。シェーグレン症候群では、口内乾燥により味覚障害をきたすことがあります。ヘビースモーカーとパイプ常用者、重金属中毒、頭頚部の放射線照射後などにも発症します。
(5)心因性味覚障害
うつ病・ヒステリー・ストレスなども味覚障害をおこすといわれています。しかし、うつ病は抗不安薬や抗うつ剤を常用していることから薬物による影響もあるようです。
○いらいら時の特徴
しかめ面で辛子を舐めると、より辛く感じます。脳は刺激が強い味だけを感じてしまいます。笑顔だと、ふくよかな味を感じるようになります。
○空腹時の特徴
味覚の一番大事な役割は有害物を感知すること。
空腹時と満腹時では、甘味の感受性が変化します。空腹のときは、脳内の内因性カンナビノイドの作用で甘味の感受性が高まる。満腹のときはレプチンというホルモンの働きで、甘味の感受性が低下するため、あまりおいしくないのです。
とても精巧なシステムに思える味覚ですが、ほかの感覚と比較すると、アバウトな側面も見えてきます。嗅覚と比べれば、味覚は大雑把といわざるを得ません。何しろ嗅覚は、300種類以上の受容体を備えているのです。それほどの数の受容体が、異なるにおい分子に対応しており、理論的には300種類のにおいを嗅ぎ分けられることになります。もちろん味覚も、5種類の受容体を最大限に駆使してがんばっています。例えば甘味受容体の表面には、甘味成分がくっつける部位が複数あり、成分がどこにくっつくかで甘さの微妙な差を見分けるという。1つの受容体が違う味を区別するのはすごいと思いますが、300種類と比べたら桁が違います。
しかし味覚と嗅覚は、もともと役割が違うのです。生き物にとって嗅覚は、遠くの食べ物や敵を感知する感覚、においの元を精密に区別することに意味があります。一方、味覚は口に入れたものが対象なので、リンゴとナシが区別できなくても、生きていくうえではそう問題ではありません。でも腐ったリンゴは、絶対に判別しなくてはいけません。毒物や腐敗物はたいてい、酸味や苦味を帯びています。それを感知するには、微妙な差を見分けるより、一括りに「毒だ!」と感じる方がうまくいくのです。味覚が五つの基本味という“大雑把”な方式になったのは、元をたどれば生き物として生き残るためだったのです。
○必要な栄養はおいしい 体調によって味が変わる
三つの基本味=甘味、うま味、塩味はどれも、体が必要とする栄養成分の味です。ここにも、生き物が生きていくために身につけた、見事な性質があり、体が必要な栄養の味は、おいしいと感じるのです。
例えば空腹で体がエネルギー不足のときは、脳内物質の作用で甘味の感受性が高まる。すると甘いものがおいしく感じられ、食が進む。満腹になると今度はレプチンというホルモンが働き、甘さの感受性が鈍る。「体の要求に耳を澄ませば、必要な栄養がおいしく食べられる。昔から言われる通り、空腹は最高のソースなのです。
○年齢差
味蕾を構成する味細胞の数は、加齢とともに減少し、また生理的に神経の味を感じる機能の低下が認められるので、老人では味覚低下が起こりやすくなります。また、老人は 一般に唾液分泌も低下しており、口腔内の乾燥や舌苔など味覚機能の障害となるものが多いのです。
○男女差
大人気のスイーツ等の情報は女性から広まりますし、甘いもの好きには女性が多いようです(お菓子の消費量も女性は男性の1.8倍)。これには理由があり、女性ホルモンの分泌が影響しています。
ラットの実験では、女性ホルモンを分泌しているラットとそうでないラットを比べて、分泌させたほうのラットが甘いものを好むことがわかりました。
では男性はどうでしょう。実は、男性のほうが女性に比べて味覚が鈍いのです。1888年に「味覚の鋭さ・鈍さに関する最初の実験」が行われました。実験内容はシンプルで、男性と女性に『感じにくい味 = 薄い味』を何種類かテイスティングさせて正解できるか、というものでした。例えば、ほんの少し砂糖や塩などが溶けた味の判別です。その結果、当時は『甘い・しょっぱい・酸っぱい・苦い』の4つの味しか知られていなかったのですが、4つすべてにおいて女性が優位であることがわかりました。さらに、今世紀に入って2000年に旨味が発見されて、旨味も計測したのですが、これまた女性のほうが鋭いという結果が出ました。つまり、女性が「ちょうどいい」と感じる味を、男性は「薄い」と思ってしまうということ。そのため、女性から見て「男性は濃い味が好きだ」と感じるのです。
なかには、男性でも優れている人はいますが、平均的には女性のほうが優れているのが事実です。女性が味覚の鋭さを持っているのに、味覚のプロである料理人には男性が多いですよね。「味覚や嗅覚は、才能があることは前提ですが、訓練を重ねることで習得できます。アスリートのようなものですね。そのうえ、女性には毎月ホルモンバランスの波があるので、なかなか味覚が一定にならないのです。普段は好まないものを、その時期には好きになる場合も多いようです。
女性は、<甘い>、<酸っぱい>、<塩辛い>、<苦い>、<うま味>の5つある味覚のすべてにおいて男性より鋭いことが指摘されています。女性ホルモンの一つであるプロゲステロンが、味覚を鋭くしている可能性があります。太古の昔から、女性は家にいて子育てをする必要がありましたので、味覚を鋭くすることにより、食品の品質の良し悪しを確かめ、自分だけでなく子供を守ろうとしたのかもしれません。
○恋愛モード
恋をしたり、何か楽しいことがあると、脳はさまざまな味の判断を“間違えて”しまいます。特に、人にとってプラスの方向である“甘み”を強く感じることが分かっています。そのため、恋愛をしているときには、普段より食べ物をおいしく、甘く感じるのです。また、恋人が作ってくれた食事や、もらった食べ物を味わうときには、この反応が特に強く起こるといわれています。さらに、何年か後にそのことを思い出すとなんとなく甘い雰囲気がするのも、このような脳における味の変換作用が大きく関係しています。脳と食べ物の味には、切っても切れない深い関係があるのです。
○雨降りの特徴
まず、雨の日はいつもよりも湿度が上がるため、色々な物の匂いを濃く強く感じられます。コーヒーも雨の日はいっそう際立っていい香りを放つと言われています。
また、雨降りには味が良くなると言われている食べ物があります。それはラーメンなのです。雨の日は気圧が下がるため、塩分を感じにくくなるようです。無意識に塩味のダシ汁をたくさん飲んでしまうというのです。美味いからといって、スープの飲みすぎには注意が必要です。また、気圧が低いとお湯の沸騰する温度が低くなるため、うまみ成分がアクになる前にお湯が沸き美味しくなるというのです。つまり、晴れの日と雨の日で味が違うのは、気圧とスープのアクの関係なのです。晴れの日は鶏ガラでラーメンのスープを作る際にアクがたくさん出ます。一方、雨の日は出るアクの量が少ない。このアクの少なさが美味しさの秘密です。鶏ガラから出る旨味成分は95℃以上になるとアクになる。しかし、雨の日は低気圧で、スープの沸く温度「沸点」が低くなります。スープは沸騰させないと良いスープにならないが、雨の日は旨味成分がアクになる前にお湯が沸く。
そのため、旨味成分がスープにたくさん残されるのです。
ウェーブ
<ファーストウェーブ>
1800年代~1970年頃に起こった第1の波です。
それまで上流階級の嗜みだったコーヒーが庶民にも身近なものになった時代、大量生産と大量消費が特長で味の探求はあまりなかったようです。19世紀後半から1960年代、流通の発達によってコーヒーは安価になり、大量生産され一般大衆の飲み物としてポピュラーな存在となりました。反面、粗悪品も多く、味もイマイチなのが当たり前の時代でした。そして、日本人の加藤サルトリ博士が発明したインスタントコーヒーによりコーヒー事業は大きく変化しました。日本では1969年4月にUCC上島珈琲の創業者・上島忠雄氏が立ち上げたプロジェクトにより缶コーヒーが登場し、翌年の大阪万博で話題となりました。さらにコーヒーメーカーが登場したことで、コーヒーは自宅でも楽しめるものになりました。
<セカンドウェーブ>
1970年頃~1990年頃に起きた第2の波のことを差します。
品質にこだわり、美味しさへの追求が始まった時代です。シアトル系の深煎りコーヒーが人気になり、カフェラテなどミルクやフレーバーを追加した飲み方が生まれました。また、スペシャルティコーヒーという概念が生まれたのもセカンドウェーブの特長です。
1960~90年代に起こった深煎りブーム。1971年にスターバックスがアメリカ・シアトルで開業し、タリーズなどのいわゆる「シアトル系」のコーヒーチェーンが人気を博しました。高品質の豆を深煎りし、カフェオレやアレンジコーヒーが流行り、人気コーヒーチェーンのカップを片手に歩く姿がファッションアイコンとなりました。1996年8月にはスターバックス日本第一号が銀座にオープン。ドリップコーヒーだけではなく、エスプレッソをベースとしたラテなどが人気を博し、コーヒー好きのすそ野がさらに広がりました。
<サードウェーブ>
サードウェーブコーヒーとは、2000年代に入りコーヒー業界に広まった新たな波、そこで提供されるコーヒーを言います。2002年頃からアメリカを中心に使用され始めたワードで、主な特長は「シングルオリジン」「浅煎り」「ハンドドリップ」「ダイレクトトレード」の4つです。
1.産地の特性が生きるシングルオリジン
シングルオリジンコーヒーとは、生産地域を限定、かつ明確にしたコーヒーのことです。国や地域、銘柄といった大きなカテゴリーではなく、1つのエリアや1つの農園、1人の生産者、1つの苗木など小さいカテゴリーに限定されます。
パッケージには、国名や銘柄だけでなく、農園名や生産者名なども記載されます。シングルオリジンコーヒーの良い点は、品質にブレが少なく高品質なコーヒーを安定して楽しめるところです。シングルオリジンコーヒーの中でも、1つの農園に特定したものをシングルエステートコーヒーと呼びます。その農園特有の風味を楽しめるだけでなく、作ってくれた人々に想いを寄せられる、正に生産者の顔が見えるコーヒーです。農園で生産されてから私達が飲むまで、その経路がはっきりとわかることが強みです。
2.酸味際立つ浅煎りコーヒー
サードウェーブコーヒーの味わいの特長は、浅煎りコーヒー豆で淹れたコーヒーのくっきりとした酸味です。セカンドウェーブの特長である深煎りコーヒーと大きく異なる味わいです。コーヒー豆本来の酸味をしっかりと味わう飲み方です。
コーヒーの酸味=酸っぱさと捉えて敬遠する人もいるようですが、コーヒー本来の酸味は果実由来のフルーティさを感じると言われています。
3.丁寧に淹れるハンドドリップ
サードウェーブコーヒーは、基本的に1杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れます。エスプレッソマシンや独自のコーヒーマシンで淹れるコーヒーショップも多い中で、淹れ方にもこだわりハンドドリップする点が特長です。日本の古き良き喫茶店と通じるところがあるようです。
4.生産者を守るダイレクトトレード
ダイレクトトレードは、生産者からコーヒーショップや消費者へ仲介者の手を介さずに流通することです。仲介料が不要となり、生産者にしっかりと料金が支払われます。これまでは、仲介者が不適正な価格でコーヒー豆を買い取ることも多く、たびたび問題視されていました。直接的な取引により生産者へ適正な利益が還元され、さらには高品質の維持・向上を図りながらコーヒー生産を継続できる体制作りが、サードウェーブの重要なテーマです。サスティナブルな社会を推進する波が、コーヒー業界にも訪れています。
■サードウェーブコーヒーの基本的な淹れ方
コーヒーは、浅煎りと深煎りとでは味だけでなく比重が異なります。浅煎りの方が深煎りよりも比重が重く、お湯を注いだときにコーヒー粉が沈み込みやすいのです。そのため、コーヒー粉が沈み込む前に手早くお湯を注ぎ足すことがポイントです。
また、酸味はコーヒー成分の中でも早く抽出されます。ドリップに時間をかけるほど酸味が出すぎてしまいます。2湯目で調節します。2湯目をたくさん注げば注湯回数が減って抽出時間が短くなり、さっぱりとした酸味になります。反対に、2湯目を少しずつ注げば注湯回数が増えて抽出時間が長くなり、酸味がしっかりします。
コーヒー豆の品質向上はもちろん、生産者から消費者に至るまでの適正なシステムなど、サードウェーブコーヒーは社会の方向性を反映したものです。今後、さらに自分好みの味わいを追求する新たな波が広まるのでしょう。コーヒーの歴史を考えながら、お好みの酸味でサードウェーブコーヒーを楽しみましょう。