日記
7. 水の重要性
7.水の重要性
◆浄水
○水道水の雑味を除去する浄水器は必須!
コーヒーを淹れる際に重要なことは、素材の欠点をできる限り少なくすることです。素材が良ければ「美味しく淹れる」ことを徹底すればいいのですが、素材が悪い場合「欠点を隠す淹れ方」をしなければいけません。それは、美味しく淹れることより難しいのです。この場合の素材にはもちろん水も含まれます。日本の水道水は他の先進国と比較しても高い水準ではありますが、それでもさまざまな雑味があります。それは、塩素や、貯水槽や水道管の汚れやサビの臭い。これらがコーヒー本来の味を損なってしまうのです。そこでプロが必ず使用しているのが浄水器です。当然ですが、コーヒーの成分の99%は水。コーヒーにこだわって水にこだわらないということは、重要な要素を見落としているも同然なのです。煮沸させるというのもひとつの手段ですが、一般的には10分以上沸騰させ続けないと雑味は抜けないといわれています。したがって、毎回長時間煮沸させるというのは手間かもしれません。
○コーヒーに向いている水の硬度は、pH値(ペーハー値)は!
雑味が抜けても、水にはそれぞれの性質があります。まずは水の硬度に着目してみましょう。日本で飲まれている水は、水道水を含めほとんど軟水といわれています。したがって、ミネラルウォーターを使用する場合も、まずは日本人が慣れ親しんだ軟水を使用すると違和感がありません。
ちなみに、軟水と硬水ではコーヒーの味が異なります。ミネラルウォーターの表示を見比べて、自分の好みの硬度を探してみるのもよいでしょう。また、硬度よりも重要なのがpH値です。pH値とは、水素イオンの数を数値化したもので、値によって酸性やアルカリ性といった分類をします。
では、コーヒーに適したpH値はというと、これは人によって異なります。コーヒー自体は酸性なので、アルカリ性の水を使用することにより中和され、滑らかな味わいになります。一方で、酸性の水を使用することにより、より酸味を強く感じるのです。浄水器の中にもアルカリイオン整水器などpH値を調整できるものがあるので、さまざまな水を使用して、自分好みの味わいを探してみるのも面白いものです。
■pH(ペーハー値)が及ぼす味の影響
お茶をはじめ、料理の世界では水に対するこだわりを持つことが多いのです。では、珈琲の世界でも水にこだわったほうが良いのか、結論から言うと水道水で十分です。珈琲の香味は「8割が豆の品質」で決まります。水を変えても香味が劇的に変わることはありません。しかしそれはpH(水素イオン指数)が同じ水であればの話しです。pHとは水溶液の酸性またはアルカリ性の強さを示す数値のことです。軟水、硬水なんて表現されることもあります。基本的にはpH7を中性として、pHが低ければ酸性、高ければアルカリ性になります。珈琲はpHが5~6程度の低酸性飲料になるのですが、pHが高いアルカリ性の水で抽出することで、pHが高くなり酸味が弱くなる傾向にあるのです。
■自然で生成される
地表から浸透した降水には、大気中に含まれる二酸化炭素が溶存しており、また、浅い地層に堆積した主に植物起源の有機物が分解して生成した二酸化炭素が地下水に溶け込みます。このため浅層の地下水では、やや酸性(6付近)のpHを示します。地下水が流動するとともに、二酸化炭素は砂礫と接触してナトリウムイオン等のアルカリ成分を溶かし出し、二酸化炭素は炭酸水素イオンに変化して、アルカリ性を示すようになります。このように、沖積平野の深部に帯水する年代の古い地下水では、二酸化炭素が消失してpHが上昇します。場合によっては9.0を示すこともあると思われます。pHが9を超える事例は、溶存成分が比較的少ない花こう岩質の母岩から湧出する温泉水などでみられ、泉質はアルカリ性単純温泉と呼ばれ、全国各地にあります。
■pHふたたび
pHとは水がどのような性質を持っているのかを図るための数値です。化学的にいうと、pHは溶液中の水素イオン濃度を表しており、ピーエイチやペーハーと呼ばれます。pHの数値は、1~14まであり数値が低いと酸性、高いとアルカリ性の性質を持つ溶液だと判断できます。1と14の中間地点にある数値「7」は溶液が中性であることを指します。純粋な水のpHを測定すると、数値は7を指すということになります。ただし、pHの値が7.0を指し示すケースはまれであり、7~8の間であれば中性の溶液であると判断されます。pHの値が3よりも低いものを酸性、3以上6以下のもの弱酸性と呼ばれます。例を挙げると酸性に含まれるのは「塩酸」、弱酸性に当てはまるものは「炭酸水」などです。pHの値が8以上11以下のものは「弱アルカリ性」、11を超えるものは「アルカリ性」と呼ばれます。弱アルカリ性の溶液として代表的なのが「石鹸水」、アルカリ性の溶液は「洗剤」などです。
■水道水のpHは
では、水道水のpHに着目してみましょう。水道水には、ミネラル分だけではなく塩素などの化学物質も含まれています。水道水の安全性を保つために定められたpHの規定は、5.8から8.6の間です。容認されている値が広範囲である理由は、「地域によって水質が異なる」ことが関係しています。飲料水に井戸水を使用している場合、pHは3~6程度を指し弱酸性であることが分かります。しかし、ある地域の貯水池から汲んだ水はpHが8を指すこともあるのです。藻が生息している貯水池などは、水質が弱アルカリ性に傾きやすい傾向があります。浄水場から提供される水がpHの規定を大きく超えることはありません。しかし、使用する消毒剤の濃度によってはpH値が変動するケースもあるようです。水道水が基準値である5.8の数値を下回る場合は塩素剤、8.6を上回る場合は次亜鉛素酸ナトリウムの過剰添加が考えられます。これらの薬剤は、どちらも水道水を消毒するために使用される薬剤です。
■天然水のpHは
市販されている天然水のpHはどの程度なのでしょうか。天然水とは、特定の水源から汲み上げ加熱・ろ過によって有害な物質を取り除いています。マグネシウムやカルシウムなど、ミネラル分が多く含まれているのが特徴です。風味が豊かであるため、飲料用に適した水といわれています。同じ天然水であるからといって、別の水源地から汲み上げられた水のpH値が同様であるとは限りません。水源の違いによって、天然水のpHの値には差が生まれます。一般的にはpH値が6~8程度の水が多いようです。水源によっては、地層の石灰成分が溶け込んだ天然の炭酸水が採取できる場所もあります。天然の炭酸水は、二酸化炭素が溶け込んだ水であるため性質は酸性に傾きます。天然の炭酸水のpHの値は5.5程度を指し、弱酸性です。それでは、「より体に良い天然水を選びたい」と思ったときにはどのような性質を持った天然水を選べば良いのでしょうか。結論からいうと、人体に合った水の性質は「弱アルカリ性」です。人の体のpHの値は7.4程度で、弱アルカリ性であることが分かっています。同じ弱アルカリ性の性質を持つ水は、体に吸収しやすく内臓に負担をかけにくいのです。より体に良い水を選びたいと考える場合は、pHの値が7~8の水を選ぶのが良いでしょう。
■pHが違うと味も違う
pHの濃度によって味には違いが生まれます。ここで身の回りにあるものを酸性とアルカリ性に分けてご紹介しましょう。
まず、酸性に当てはまる食品として挙げられるのがレモンや酢、ミカン、炭酸水などです。一方、アルカリ性の性質を持つのが石鹸や洗剤、重曹などです。同じグループの物にはある共通点があります。酸性に当てはまるものは、「口に入れたときに酸っぱい」ことが特徴です。レモンや酢、ミカンなどは酸性度が高いため酸っぱく感じやすいのです。アルカリ性のものは、「口に入れたときに苦い」、「ぬるぬるしている」などの特徴があります。ミネラル分が多い硬水を飲んだときに苦く感じやすいのは、硬水のアルカリ濃度が高いためです。さらにアルカリ濃度が高くなると、触感がぬるぬるします。洗剤や石鹸などはアルカリ濃度が高いためにぬるぬるとした手触りをしているのです。
■気体が水に溶けると何性か
身のまわりの物質についてなのですが、二酸化炭素・酸素・水素・アンモニアなどの気体は「何性」なのか。それぞれを水に溶かすと、二酸化炭素は「酸性」、酸素と水素は「中性」、アンモニアは「アルカリ性」を示します。酸性・中性・アルカリ性は、水溶液の性質を表します。気体の状態では、「酸素は何性」とは言いません。二酸化炭素を水に溶かした液を青色リトマス紙につけると、「赤く」変化します。つまり酸性です。また、アンモニアを水に溶かした液を赤色リトマス紙につけると、「青く」変化します。つまりアルカリ性です。 酸素や水素は水に溶けにくいので、水溶液の性質を問われることはほとんどありませんが、「中性」です。酸素や水素と同様に、窒素も水にほとんど溶けず、水溶液の性質を問われることはほとんどなく「中性」です。ちなみに、塩素は水に溶かすと「酸性」を示します。
■炭酸水
炭酸水とは、炭酸ガス(CO2:二酸化炭素)を含む水のことをいいます。ソーダ水・ソーダとも言われます。特にソフトドリンクの多くでは、飲み物に清涼感を与える目的でこの炭酸ガスを原料の一つに使用し気泡を立たせ、これは炭酸飲料とも呼ばれます。 自然界でも炭酸水は湧き水や温泉などの形で産出し、飲用可能なものはミネラルウォーター等の形で販売されています。現代では水と炭酸ガスに圧力をかけ人工的に大量生産されており、欧米のレストランでは水を注文する際、「炭酸水」か「無炭酸の水」かを選んで注文する形式が一般的です。炭酸水に調味料や香料を加えたものが炭酸飲料ですが、日本では素の炭酸水は主に飲食業における原材料(カクテルベース)として扱われ、一般消費者への普及は遅かったのです。
◆水に含まれる主なミネラルと役割
水に含まれている各成分は、それぞれ重要な役割を果たしているため、バランスよく摂取することが必要です。
・カルシウム
骨や歯の形成カルシウムは、骨や歯の主成分であると共に、神経の伝達を助ける働きや心臓の鼓動を一定に保つ働きも担っていると言われています。
・マグネシウム
ストレスに対抗マグネシウムは、エネルギー代謝を促進して疲労回復を助けしたり、筋肉の働きを調整する等の効果があると言われています。日常の食生活では摂取しにくい成分です。
・ナトリウム
体内の水分量調整ナトリウムは、多くは細胞の外側に存在しているミネラル成分で、細胞の機能を維持したり神経機能を正常に保つことに役立っていると言われています。
・カリウム
細胞・血圧の調整カリウムは、ナトリウムと一緒に摂取することで、血圧の上昇を抑制したり筋肉の働きをよくすると言われています。野菜や果物、豆類等に多く含まれます。
・亜鉛
精神を安定させる亜鉛は、精神を安定させるために不可欠な成分と言われています。亜鉛不足が続くとライラしたり落ち込みやすくなり、記憶力の低下、うつを招く原因になります。
・バナジウム
体内酵素の形成バナジウムは、牛乳やそばに極わずかに含まれるミネラルです。近年の研究では、糖尿病の血糖値を下げる働きがあるとも言われています。
◆水道水に含まれる塩素について
「水道水は飲めない」そんな決まりごとがあるかのように今では浄水器をつけたりミネラルウォーターを買ったりなど、水対策が成されています。昔は井戸水などもありとても飲み水はきれいだとされていたのですが、現在では逆に危険だという声もあります。水道水を直接飲む人は全体の3割程度だとも言われます。では水道水にはどのような成分が含まれているのでしょうか。水道水には、天然水やミネラルウォーターのようにミネラル成分が含まれています。ナトリウムやカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が含まれているのですが、それとは別に、やはり気をつけないといけない物質も含まれています。その代表が「塩素」です。そもそも、なぜ水道水に塩素が混じっているのかご存知ですか、私たちが生活排水として流しているお風呂やトイレの水、食器を洗った水などはそのまま下水道に入り、水道水の原水となっているのです。いろいろなところから流れ込んできた水ですので、そのままでは大腸菌や雑菌がうようよいますので水道水として使うことはできません。そこで塩素で殺菌するのですが、浄水場では塩素を2度投入して病原菌を殺菌消毒します。塩素は水道水の安全を確保するために必ず必要なものですので、水道水1リットル当たりに0.1mg以上の塩素が残るように決められています。 (これは日本での基準です)
この1リットルに0.1mgというのは浄水場から一番遠い家でも残らないといけませんので、もちろん浄水場から近い家ではもっと高い濃度になります。実際に、親戚の家でお風呂に入って、肌がかゆくなったことがありました。これは自宅より塩素濃度が高かったためかと思われます。
浄水場から一番近い家の塩素濃度は1mg/リットルにもなるそうです。これは、スイミングプールの塩素濃度よりも高い値だそうです。ここでは塩素のことを詳しく書きましたが、ほかにも腎臓機能障害やアルツハイマーを引き起こす可能性があるとされる「アルミ」や、水道水成分で最も危険だとされる「トリハロメタン」は発がん性物質と言われています。他にも流産の引き金になったり、肝臓や腎臓に障害を引き起こすのではとも言われています。また、「鉛」もよく聞きます。鉛管やアスベスト管は昔水道管の材質として使われていました。しかし、廃止され今でも急ピッチに取替え作業が進められていますが、全国の約20%がまだ鉛管やアスベスト管だそうです。この鉛管やアスベスト管から水が通るたびに鉛やアスベストの成分がわずかですが溶け出していると言われています。この鉛やアスベストも脳障害を引き起こしたり、痴呆の原因、腎臓障害、を引き起こすとも言われています。
1. 水道水を沸騰させて使うべき理由
水道水をそのまま使っている人は約4割という調査結果もありますが、水道水に含まれる「塩素」や、いわゆる「カルキ抜き」の方法が気になる人も多いのではないでしょうか。すでに知られていることですが、沸騰させて使うべき理由は「水道水に含まれる塩素を除去できるから」です。ただし、水道水を沸騰させた直後は「トリハロメタン」という発ガン性物質が約3倍に増加するため留意が必要です。
2. 水道水を沸騰させて安全に使うための3つのステップ
水道水を沸騰させると、塩素の除去と同時に殺菌もできますが、「トリハロメタン」という発がん物質だけは以下のように沸騰後に約3倍に増えてしまいます。トリハロメタンを除去するには「10~15分間沸騰」させておく必要があります。もし沸騰してすぐに火を止めてしまうと、わざわざトリハロメタンを増やした水を飲むことになってしまいます。気になる方は、以下の正しいステップで水道水を沸騰させて安全に使いましょう。
2-1. やかんや鍋を使うこと
トリハロメタンを除去するには_沸騰した状態を10~15分程度続ける必要があるため、やかんや鍋を使いましょう。電気ケトルや電気ポットは沸騰した状態を続けられないため、「水道水を安全に使う」という点ではおすすめしません。
2-2. ふたをしないこと
トリハロメタンや塩素は気化して抜けていくため、ふたをしないことが重要です。
2-3. 10~15分程度沸騰させること
トリハロメタンを除去するには10~15分沸騰させましょう。もし、10分以上待つのが面倒で、仮に沸騰後5分で止めてしまうとちょうど「トリハロメタンが最も多いタイミング」なので途中で止めるのはおすすめしません。
2-4. まとめ
正直、水道水を10分以上沸騰させて使うのは手間に感じた人も多いと思います。例えば「電気ケトル」や「電気ポット」はお湯を沸かすのに便利ですが、沸騰した状態を続けられないためおすすめできません。上記のような不便さを踏まえて、安全な飲料水を飲む方法を色々比べた結果、簡単で便利な方法として私はウォーターサーバーが最もおすすめと思っています。なぜなら、ウォーターサーバーの水は安全なので沸騰させる必要がなく、いつでも熱いお湯も冷たい水もすぐに使うことができるためです。なお、沸騰後にやかんや鍋に白い粉が残る場合があります。これは水分中に含まれるミネラル成分が固形化したもので、危険なものではありません。
◆蒸留水
蒸留水とは水を加熱などによっていったん沸騰させて気体の水蒸気にしてから、それを別の場所で冷却して液体に戻した純水(純度の高い水)のことです。この操作を蒸留と呼び、水の純度を上げるため(水から不純物を取り除くため)に行う。水の純度を上げる方法は何種類かあり、蒸留によってできた純水を蒸留水と呼びます。衛生上、最も安全な水といえば蒸留水です。蒸留水は塩類や有機物を取り除いた、化学的にみてほとんど純粋といえる水です。しかし純粋すぎて味がないのに等しく、これでコーヒーを淹れると味わいの乏しいものになってしまいます。つまり、水というものは塩類や二酸化炭素を適当に含んでいるほうが味覚的に良好なのです。
◆硬水 軟水、ふたたび
ミネラルウォーターを購入されている方であれば、知っていると思いますが、水には硬度が高く味にクセがある硬水と硬度が低く飲みやすい軟水の2つがあります。硬度が高い硬水を好まれる方もいますが、一般的に硬度が低く飲みやすい軟水を好む方の方が多いです。そして、硬度が高いかどうかはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分の量が影響しており、含有量が多いほど硬度が高くなります。また、ミネラル分が少なすぎても、不味くなる感じてしまうので、おいしいと感じる水道水にはミネラル分が適度に含まれています。残留塩素というのは、殺菌消毒する時に使用した時に残留する塩素のことで、水1Lに対して、塩素0.1mg以上入れないといけません。これは、法律で定められており、どの地域でもこのことは守られています。しかし、地域によって、含まれている残留塩素の量が違い、基準値ギリギリのところもあれば、量が多いところもあります。
塩素の濃度が高いとカルキ臭が強くなってしまい、不味く感じてしまいます。つまり、残留塩素が少ないところの水道水がおいしくて、多いところの水道水が不味いということです。また、水温が低ければ生理的においしいと感じるので、水温が高い水道水よりも低い水道水の方がおいしい水道水と感じます。
◆硬度
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といいます。WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」といいます。簡単にいうと、カルシウムとマグネシウムが比較的多く含まれる水が硬水になります。東京の水道水の硬度は60mg/l前後で軟水に、エビアンの硬度は304mg/lなので硬水になります。また、一般的には、硬度0~100mg/lを軟水、101~300mg/lを中硬水、301mg/l以上を硬水に分けられます。
見た目は同じですが、まろやかに感じたり重々しく感じたり、水にも風味があるのはこのため。成分の違いから、一般的に軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえを感じるようです。日本の水のほとんどが軟水で、ヨーロッパや北米には硬水が多く存在します。これは大地を形成する地殻物質が異なるためです。天然水は地中にしみ込んだ雪や雨水が地層中で汚れやゴミを濾過し、地層中のミネラルを吸い取って湧き出しています。日本は国土が狭く地層に浸透する時間が短く、ヨーロッパや北米の大陸では地層に接する時間が長いことが、硬水と軟水を生み出す要因のひとつとされています。水の硬度はその土地の食文化と密接に関連しています。肉がメインの西欧料理ではミネラルが不足しがちなため、ヨーロッパでは硬水で不足しがちなミネラルを補っています。日本も食の欧米化が進み、食事だけではミネラルが不足しがちになっています。食文化のグローバル化が進んでいるのにもかかわらず、水のグローバル化は遅れたままになっています。食事によって、軟水と硬水を飲み分けてみていはいかがでしょうか。
◆コーヒーに適した水は「軟水/硬水」
第一条件: 湯冷ましで美味しい水
コーヒーに適した水として「湯冷ましで美味しい水」という話がありますが、人肌程度の温度が一番味が分かりますので、その温度で美味しければ第一条件はクリアしていると言えます。コーヒー抽出液の約99%は水分ですから、水が不味ければコーヒーが不味いのは当たり前です。この当たり前のことを実行せずに「美味しくないコーヒーだ」と思っている方がおられるのも事実です。もし水道水を使うなら、一度は沸騰させて塩素とカルキ臭を飛ばしましょう。いったん沸騰させた水を、抽出用の細口ポットに移せば温度も適温の90℃前後になって美味しくいれられます。
第二条件: 軟水と硬水
さらに自分好みのコーヒーをいれるために水を選ぶとしたら、どのようなポイントがあるのか。日本の水(水道水を含む)は「軟水」、ヨーロッパ、アメリカの水の殆どは「硬水」であると言われています。韓国も「硬水」だそうです。そういう訳で、書物などのコメントは日本の水「軟水」でいれた場合を基準に書かれています。ところで、軟水と硬水ではコーヒーの味が異なるのでしょうか、「軟水」でコーヒーをいれると「まろやか」で「酸味」が出やすく、「硬水」でいれると、「苦み」が強調されます。自分の好みや、その日の気分に合わせて水を選ぶのも楽しい作業です。軟水で入手しやすいミネラルウォーターは「ヴォルビック」や「南アルプスの天然水」、硬水では「エビアン」「ヴィッテル」等があります。 ミネラルウォーターを購入する際は、一括表示部分をチェックして水の硬度を調べてみてください。
コーヒーに適しているのは軟水か硬水か
まったく同じコーヒー豆の品種、焙煎の度合い、抽出の仕方で、水だけを変えてコーヒーを淹れた場合、コーヒーの風味や香りはどのように変わるのでしょうか、ドリップコーヒーはもちろん、お手軽なインスタントコーヒーで試してみても、明らかな違いを感じるはずです。
軟水で淹れたコーヒーの特徴
「軟水」を使って淹れたコーヒーは、もともとの水質の特徴である「まろやかな甘さ」と、コーヒーの「酸味」が際立ちます。軟水ならではの“とろみ”にも似た口当たりのコーヒーが抽出でき、飲みやすさと共にコクや香りもしっかり感じられます。
硬水で淹れたコーヒーの特徴
「硬水」を使って淹れたコーヒーは、コーヒー独特の酸味は打ち消されますが、キリッとした「苦味」が際立ちます。水の硬度が高いほど、苦味のしっかり感は強まっていき、コーヒーの深みを味わうことができます。
水道水や天然水のほとんどが「軟水」の日本では、慣れ親しんだ口あたりの良さから、軟水で淹れたコーヒーの味が一般的になっているかもしれません。水自体にクセがなく、やわらかい口あたりの「軟水」は、コーヒー本来の甘味、酸味、風味を楽しみたい人、飲みやすさを求める人に適しています。一方、硬い口あたりの「硬水」は、コーヒーの苦味を引き出す作用があることから、ゆっくり時間をかけて1杯を味わいたい人、ほろ苦さを味わうエスプレッソ好きの人などにお勧めです。軟水と硬水それぞれの特徴を知っていると、コーヒーの味わい方の幅が広がります。その日の気分に合わせてコーヒーを抽出したり、自分好みの味を見つけたい時には、水の硬度に注目してみてください。
エスプレッソ抽出での水の差
好みによりますが、硬水を使って入れると、苦味に深み出てるというか、まろやかになるようです。マグネシウムやカルシウムの含有量の多い硬水、すなわち、エスプレッソの強い苦味に負けないある程度強い(個性の強い)水の方が、苦味にまろやかさが加わり、美味しく感じるのではないでしょうか。逆に、マグネシウムやカルシウムの含有量の少ない軟水だとエスプレッソの苦味に負けてしまい、コーヒーの苦味がストレートに伝わってきてしまいます。素直にお茶など本来の味を味わいたいときは、軟水の方が良いと言うことになります。つまり、紅茶や日本茶、アメリカンコーヒーなどは、軟水のようです。
◆カルキとは
カルキとはオランダ語が語源で「石灰」のことです。水道水の殺菌、消毒で使われるカルキと呼ばれるものは、ドイツ語のクロームカルキから来ていて、塩化石灰を指します。つまり、石灰なんです。塩化石灰というのは水に溶けると次亜塩素酸イオンになり、漂白、殺菌、消毒の効果が現れます。「カルキ臭い」というのはこの「次亜塩素酸イオン」が原因なのです。ですが、カルキを入れたからといって、完全に水がきれいになるわけではありません。さらに、塩化石灰に含まれている塩素は、微生物を分解するときにトリハロメタンという物質を発生させます。このトリハロメタンとは、なんと発がん性物質だといわれています。しかもカルキ、つまり塩化石灰は、髪や肌のタンパク質を破壊し、細胞に大きなダメージを与えます。 肌の保湿力などを低下させ乾燥肌を引き起こし、子供では免疫力の低下が起き、骨の軟化やアトピー性皮膚炎を悪化させる原因になるとも
言われています。また、このカルキのせいで、水道水の味を著しく低下させているということもあります。臭いがヒドイときは飲めないという方も多くおられます。カルキとは、水をキレイにして水道水の安全性を高めているのですが、私たち人間や動植物にとっては、有害な一面もあると言えそうです。金魚やメダカを水槽に放つ前に水道水の水質を整えないと、すぐに死んでしまうのもこの理由です。
◆カルキ抜き
水道水にはカルキと呼ばれている塩素が含まれており、これが人体に害を与えるといわれています。そのため、健康のことを考えるのであれば、水道水に含まれているカルキを抜いた方が良いでしょう。自宅でできる簡単なカルキ抜き方法を5つご紹介します。
その1 沸騰させる
一つ目の方法は水道水を沸騰させて、カルキを蒸発させるという方法です。この時に注意しないといけないのは、沸騰後しばらく加熱を続けることです。沸騰したからといって、すぐに加熱を止めてしまうと、完全にカルキを抜くことはできません。
その2 ハイポ錠剤
二つ目の方法はハイポというカルキを除去する錠剤を使用する方法で、熱帯魚や金魚などを飼育する際に有効です。
その3 レモン汁
三つ目の方法はレモン汁を入れて、塩素を分解させる方法です。水道水の中に含まれているカルキに還元作用のあるレモン汁を入れることによって、塩素が分解されます。また、レモンではなく、ビタミンCが含まれているものであれば、代用も可能です。
その4 緑茶を混ぜる
四つ目の方法は、緑茶を混ぜて塩素を分解させる方法で、これはレモン汁と同じ原理です。
緑茶にはカテキンというレモンと同じ還元作用のある成分が含まれており、このカテキンが塩素を分解してくれます。
その5 汲み置きする
五つ目の方法は、1日~2日くらい汲み置きして、カルキを蒸発させるという方法です。1日~2日くらい水道水を放置しておくと、塩素は蒸発され、熱帯魚や金魚などの飼育に使用できるようになります。
◆カルキ臭
水道水には塩素と次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターの内容物)の2種類の殺菌成分が含まれています。いずれも、一般にカルキ臭と呼ばれる独特の臭いがあります。沸騰させると塩素はすぐに揮発して無くなります。気体ですから当然です。次亜塩素酸ナトリウムも沸点が101℃ですので、揮発するか、分解して無くなります(分解温度は60℃程度)。その結果、カルキ臭が無くなるのです。なお、この沸騰の際に、トリハロメタンが生成するとの話もありますが、極めて微量です。塩素がトリハロメタンになるにはかなり特殊な条件が必要であり、そんな反応が起こる前に塩素は飛んでしまいます。 次亜塩素酸ナトリウムも酸素と反応して塩化ナトリウム(塩)を生成する反応が主に進行しますので、トリハロメタンの生成も極めて少ないでしょう。仮にトリハロメタンが生成してもトリハロメタンは水よりも沸点の低いものですので、水を沸騰させると減少していきます。また、塩素も次亜塩素酸ナトリウムもほっておくと自然に無くなるものです。たたただし時間は要します。なお、浄水器や煮沸した水道水は、殺菌成分が取り除かれてしまっているので、空気中の雑菌などで簡単に汚染されやすくなります。すぐに飲むのがベスト、保存するのはよくありません。
◆水道水の中の気体
水の中には水だけで無く、酸素や二酸化炭素等の気体も溶け込んでいます。加熱する事により、溶け込んでいる気体が気体の状態に戻り、気泡になります。加熱初期に発生する気泡は、主に溶け込んでいる気体が出て来た物と考えて下さい。さらに加熱を続けると、水自体が気体(蒸気)に変化し、大量の気泡が現れます。これが沸騰の状態です。一度加熱し、溶け込んでいる気体を気泡として放出した水は、溶け込んでいる気体の量が少なくなっているので、一旦冷やしてから再加熱しても気泡の量は少なくなります。ただし、冷却した状態で長期間放置すれば、再び大気中から気体が溶け込むので、最初に加熱した時と同じ状態になるはずです。
◆水道水に溶け込んでいる気体(=空気)
空気は78.03vol%が窒素、20.99vol%が酸素、0.933%がアルゴン、0.030%が炭酸ガスです。水(1cc)への溶解度は標準状態ガス換算で、窒素0.024cc(0℃)、0.016cc(20℃)、酸素0.049cc(0℃)、0.031cc(20℃)、アルゴン0.053cc(0℃)、0.035cc(20℃)、炭酸ガス1.71cc(0℃)、0.88cc(℃)です。深夜から早朝に室温が下がったところで溶解が進み、その温度とガスの分圧に対応する分が水に溶け、朝やや室温が上がって溶けきれなくなってそれが出てくるのでしょう。
水道水には、できるだけ空気が溶け込まないように給水されているのですが、どうしても少量の空気は含まれてしまうものです。水道水は加圧(圧送)されていますが、とうぜん加圧すればするほど、水道水に溶け込む空気の量は多くなります。
※空気に含まれる気体の割合
1.窒素78% 2.酸素21% 3.アルゴン1%、ここまでで100%になってしまいますが,以下は微量です.4.二酸化炭素0.032% 5.ネオン0.0018% 6.一酸化炭素0.000012%、この他,水(水蒸気)が1~2.8%の間を変動するのですが,変動するので普通はランキングから外されています。ヘリウム0.00052%と書いてある資料もあります。
◆喫茶店で「水」が運ばれる理由に、触れてみます
・口直し
初めはブラックで飲んでいただき、口に合わない場合は砂糖やミルクなどを入れて、再度飲んでいただくのがお店のマナーらしく、ブラックで口に合わなかった人のための口直しの意味があるそうです。
・口臭予防
・利尿作用に対する水分補給
・オーダー確認 きちんとご注文を取ったかの印
・歓迎サービス
一息ついてご注文をお選びくださいという意思