日記

2024-04-16 08:16:00

23. カスカラティ

23.カスカラティ
コーヒー豆はコーヒーの果実の中にある種子を乾燥・焙煎したものですが、コーヒーの果肉と果皮を乾燥させたものをカスカラと言います。そのカスカラを使用したフルーツティが、カスカラティです。コーヒーと違いカスカラティは、コーヒーの果実を味わう飲み物です。コーヒーのように、カスカラも品種ごと産地ごとに味わい(テロワール)が異なります。コーヒーを飲んだ時に感じるフルーティな甘味や酸味と同じような風味は、カスカラティにも感じる事ができます。まだまだ産地で僅かに飲まれている程度で、日本をはじめ消費国にはあまり紹介されていません。このカスカラは、世界的に評価の高い稀少品種であるゲイシャ種のカスカラです。ゲイシャ種は他のコーヒー品種に比べるとミューシレージ(果肉の粘液質)が甘く、カスカラティも甘く余韻が長く残る特徴があります。ポリフェノールが豊富なカスカラティは、産地ではハチミツやシナモンを加えたり、カスカラシロップを作りソーダで割ったりして飲まれています。

コーヒーチェリーから取り出された種子がコーヒー豆になります。種子の他の部分、果肉や外皮を使用したものがカスカラです。スペイン語のCascaraが語源とされており、スペイン語では籾(もみ)や殻といった意味です。カスカラを煮出して飲むのがカスカラティーで、コーヒーチェリーティーとも言います。カスカラティーの歴史は古く、コーヒーと同じあるいはそれ以前とされてます。コーヒーは、発祥とされるエチオピアからアラブ半島、そしてイエメンに伝わり、秘薬として珍重されました。当時はバンカムという名前で煮汁を飲んでいましたが、カスカラティーはそれと同じかもっと
前から、キシルという名前で飲まれていたようです。イエメンでは、現在でもキシルという名前で親しまれています。

カスカラの原料と製造
カスカラの原料はコーヒーと同じく、コーヒーノキにできるコーヒーチェリーです。後にコーヒー豆になる種子を取り除き、残った果肉や皮を使います。製造の工程も途中までコーヒーと同じです。コーヒーチェリーは、収穫の後に粗選別を経て果肉を除去する精選作業を行います。ここで除去された果肉や皮を乾燥させてできるのが、カスカラです。これまで精選で除去される果肉や皮は捨てられることが多かったので、カスカラは再利用の方法としても改めて注目されています。コーヒーが産地によって味など特長が異なるように、カスカラも産地による味の違いがあるようです。さらに呼び方も産地で異なります。中米ではカスカラですが、ボリビアではサルタナと呼ばれています。


カスカラの味わい
コーヒーと同じ原料のカスカラですが、味は紅茶や甜茶(てんちゃ)、ハーブティーなどに近い味わいです。華やかな香りとさらりとしたさわやかさが魅力であり、ローズヒップティーなどが好きな人にお勧めです。さらに、淹れた後のカスカラは食べることもできます。ただし美味しく味わうという
よりは、健康のために食べる人が多いようです。


カスカラの成分
カスカラには、コーヒーと同じくカフェインが含まれていますが、コーヒーに比べると含有量は少量です。具体的には、100g程度のコーヒー豆でカフェイン量1~2g程度のところ、カスカラであれば約0.51g。一方で、コーヒーの主成分として知られるポリフェノールは、カスカラにも豊富に
含まれています。100g程度のカスカラにポリフェノール量が約3,100mgです。また、100gあたりのカロリーは317kcal程度ですので、5~10g程度を使用するカスカラティーの場合は1杯25~32kcal程度と考えられます。


準備するもの
最初に、カスカラティーを淹れるのに必要な道具と材料を紹介します。コーヒーを淹れるときに使うフィルターは必要なく、自宅にある道具で淹れられます。

・カスカラ
・お湯
・ポット
・サーバー(フレンチプレスでも可)
・タイマー
・はかり

紅茶の茶葉のように、カスカラをお湯に浸して抽出します。カスカラはネット通販などで購入可能です。淹れる手順は簡単です。お湯に浸す時間がポイントですので、タイマーを使用しましょう。

1.はかりでカスカラを計量する
 カスカラティー150~250ml:カスカラ5~10g程度
2.サーバーにカスカラを入れる
3.ポットでお湯を注ぐ。お湯は沸騰したお湯を使用
4.浸したまま抽出する。時間は5~7分程度
5.カップに注いで完成

コーヒーと同じで、抽出時間が短いと酸味が、長いとコクが強くなります。何回か試して好みの時間、味を見つけてください。サーバーではなくフレンチプレスやティーポットで紅茶のように淹れるのもお勧めです。また、冷やしてからアイス・カスカラティとして飲んでいただくと、ホットとは違った風味で楽しめます。


飲み方
まずは、そのままストレートで飲んでみます。コーヒーチェリーのフルーティな香りが楽しめます。お好みで砂糖やミルクを加えてください。シナモンなどのスパイスを使ってフレーバーティーにすることも可能です。イエメンのカスカラティーであるキシルは、スパイスと一緒に楽しむのが一般的なようです。

エスメラルダ農園ゲイシャのカスカラティー
さくらんぼのようなコーヒーチェリー、その種の部分を精製、焙煎したものがいわゆるコーヒー豆ですが、今回の主役は精製時に出た果肉の部分です。果肉は、ほとんどの農園では廃棄か肥料かの二択らしいですが、これを乾燥させて飲んでしまおうというのがカスカラティーです。
私がネットで入手したのは、あの超有名な「パナマ、エスメラルダ農園ゲイシャ」のカスカラティーでした。初めてなので、どうせ飲むならコーヒー豆で最高級の銘柄でと購入したのです。中身は、栗の渋皮? 乾燥チェリー? のようで、臭いは紅茶とは違って干し草花的な香りです。味は期待したものと違い、甘酸っぱくてサッパリ。コーヒーや紅茶とは全く違った風味です。コーヒー好きの友人にも一袋プレゼントしましたが、反応は薄かったです。ただ、こんな飲物がある、しかもエスメラルダ農園ゲイシャの果実で作られた、という話題だけでも楽しめました。

 

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