日記
25. コーヒーの甘み
25.コーヒーの甘み
日本スペシャルティコーヒー協会SCAJでは、スペシャルティコーヒーの判定尺度としての『甘さ』について以下のとおり触れています。「コーヒーのチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、且つ熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚。甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存する。又、糖分が高くても、甘さを感じることを阻害する要因、辛さのある苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み等が有ると甘さを感じにくくなる。」
つまりコーヒーの甘さというのは、
・コーヒーチェリーの熟し具合に大きく依存する
・ひとつの成分由来ではない
・成分と要素との繋がりによって感じるもの
と、読み取れます。
◎生豆の主な成分
全多糖類・・・51% 少糖類・・・7% 脂質・・・15% タンパク質・・・12% その他・・・16%
◎焙煎豆の主な成分
全多糖類・・・36% 少糖類・・・2% 脂質・・・19% タンパク質・・・16% 有機酸・・・19% その他・・・9%
コーヒー豆中の成分を見ると、甘さと直接関係があるのは、少糖類(オリゴ糖など)のみです。また、直接的な甘さ成分ではないものの、甘みに繋がりそうな成分は微量成分であるため、その他の中に含まれます。
焙煎前後を比較すると、直接的な甘さ成分である少糖類は、焙煎によって減少していることがわかります。さらに、抽出時のロスもありますので、どれだけ熟したコーヒー豆を使っても、焙煎や抽出が適正でないと、甘さ成分はゼロに等しいほど無くなってしまいます。
たとえ適正な焙煎や抽出がされたとしても、コーヒーの液体中の濃度は低く、甘さを感じさせるほどのものかは疑問があり、コーヒーのもつ甘さの正体は、はっきりとはわかっていないというのが事実です。