日記
6. 賞味期限
6.賞味期限
◆生豆
◇生豆の保存ポイントは過保護にしないということです。とりあえず、日の当たらない風通しの良いところに置いておくのが良いでしょう。
長期保存する場合は、湿気を嫌うので通気性のよい袋に入れてちょっと高い所に置くか、ぶら下げておいても良しです。 風呂場のような湿ったところに置かなければ、大丈夫です。
直輸入などの採れたての生豆を、フレッシュな状態のまま保存したい場合は、密閉して冷蔵庫に入れておくのも効果的です。 ただしその場合は、結露しないように冷蔵庫から出したら常温に戻るまでビンの蓋を開けないように気を付けてください。
また、冷蔵庫の中では他の食品の臭いが付く恐れがあります。臭いが移らないよう、必ず密閉した状態で保存して下さい。とりあえず、「生豆」は生きている種子です。長く保存する場合は、過保護にしないで風通しの良い所に置いておくのが一番です。
保存状態が良ければ、3年は保存できます。私が家で保存している生豆は、通気性の良い袋に入れて放ってありますが、5年以上経った今も現役です。
古い生豆は水分が抜けて、焙煎しやすく味もまろやかになりますが、豆の本来の香りや個性が失われていきます。新しい生豆は個性豊かな美味しさがありますが、まろやかさは感じにくくなります。 古い豆も新しい豆も、長所・短所がありますが、それなりの美味しさがあります。 同じ豆でも、焙煎時期をずらすことによって、違う味わいを楽しめるのです。
◇生豆は、木材のように周りの湿度によって水分を放出したり取り込んだりします。水分は12~13%と高め。密閉していると、かえってカビが繁することもありますので、通気性の良い容器またはビニール袋等に呼吸穴を空けたものに入れて、日が当たらない風通しが良い場所に保存しましょう。 保存状態(特に湿度)に気を付ければ、ご家庭でも数年保存いただけます。生豆は、古くなるほど失われる個性もありますが、寝かせることでまろやかな味わいが生まれることもあり、一定の条件で保存し、オールドビーンズ(オールドクロップ)として味わうこともできます。
1.短期間(直ぐに焙煎 ~ 2・3ヶ月)
この場合は、高温、高湿、直射日光を避ければ、特に、気を使う所は、無いのですが、理想は、低温の冷暗室です。容器は、通気性のある物、例えば紙、布等の袋でもOKです。
2.長期保存(オールドクロップを作る)
珈琲豆は、品種、銘柄で分ける方法と、採れてからの時間経過で分ける方法があります。
(1)ニュークロップ(その年に採れた新しい豆。グリーンとも言う。)
含水量が多く、焙煎し難い。珈琲豆本来の味と香りがする。
(2)オールドクロップ(採れてから、3年以上経過した豆)
含水量が少なく、焙煎し易い。味や香りの角が取れてマイルドの傾向になる。
3.保存方法(作り方)
容器は、豆がこぼれないメッシュのカゴ、又は、布の袋。保管場所は、風通しの良い、直射日光の当たらない場所で自然乾燥。時々、豆をかき混ぜ、高湿の梅雨期には、冷暗室に取り込む等の配慮が出来れば理想です。また、違った技法ですが(ダブル焙煎という)、焙煎機で一度強制的に水分を抜いてしまい、オールドクロップ状態に、一瞬にしてしまう技法もあります。
◆焙煎豆、粉
1.賞味劣化要因
◇温度
温度が高くなるほど、傷みやすくなります。学者らの研究によりますと10℃上がると賞味期間が約1/2になるそうです。(できるだけ低温での保存が良い)
◇湿度
湿度が高くなるほど、傷みやすくなります。特に焙煎した後の煎り豆は吸湿しやすいので注意が必要です。(缶の蓋や袋の口をきちんと閉めて保存する)
◇酸素
酸素が存在すると傷みやすくなります。(上記と同様に密封保存する)
◇光
光を受けると傷みやすくなります。特に直射日光(紫外線)は厳禁です。
2.保管場所
◇冷凍庫
最も適している。長期の保存に向く。
賞味期限は豆で焙煎後1~2ヶ月程度、挽いて3~5週間程度である。香り・味など、さほどの品質低下もなく保存できる。但し、庫内よりの出し
入れが頻繁な場合はむしろ、冷蔵庫がよいこともある。(外へ出したときに吸湿することがある)
焙煎後のコーヒー豆の水分含有率は約1%。なので凍らない。冷凍庫は冷蔵庫より空気の回りがゆっくりなので、においも吸いにくい。
◇冷蔵庫
適している。中期の保存に向く。
賞味期限は豆で焙煎後1ヶ月程度、挽いて2~3週間程度である。珈琲豆店では商品を見せる必要から、低温(冷蔵)ショーケースで保管する場合が
あるが、今のところ一番無難な方法と思われる。できれば8℃以下が望ましく、15℃位になるとやや傷みやすい。
ただし、コーヒの脱臭作用によって冷蔵庫内のにおいがコーヒーに移ってしまう。コーヒーを淹れたときに冷蔵庫内のにおいがすることもある。
◇冷暗所
短期間の保存と考えるべきである。
例えば食器棚などの場合、冬季はさほど問題ないが夏季は保存条件としては適しません。賞味期限は冬季、豆で焙煎後2~3週間程度、挽いて1週間~10日間程度である。同じく夏季では、豆で焙煎後5~10日間程度、挽いて3~5日間程度である。
◇常温室内(冬季 低温)
保存場所として、あまり適していない。 常温の缶や豆樽・保存ビン等で保管している場合、品質の維持はさほど期待できないと思われる。賞味期限は長く見積もっても焙煎後5~7日程と思われます。
◇常温室内(夏季 高温)
保存場所として、完全に適していません。 せいぜい、その日か次の日の消費分くらいに留めるのが良い。常温の缶や豆樽・保存ビン等で保管している場合、品質の維持は全く期待できないと思われる。夏季は人のいない室内は蒸し風呂状態であり、賞味期限は焙煎後2~3日程と思われます。
◇日数経過と味
焙煎後2時間経過すると酸化が始まります。焙煎した翌日、または翌々日くらいの豆が、 何とも言えない芳醇な香りがして、クラクラっときます。 では、焙煎したての豆はダメかというと、強い香りはありませんが、とても透明感のある味わいが楽しめます。
あえて使うと「ピュアな味わい」ってところでしょうか。焼きたてでしか味わえないこの感覚も、結構クセになります。 このクセは、自宅焙煎にのめり込んでいる方によく見られる症状です。
焙煎後日数 室内常温保存の場合 冷凍・冷蔵保存の場合
焙煎当日 鋭い味でさほど美味しくない 鋭い味でさほど美味しくない
1~2日後 強い香りとまろやかな味 ほのかな香りと強い味
3~4日後 やや弱い香りとまろやかな味 強い香りとまろやかな味
5~7日後 夏季は粉の場合、香味は薄い やや弱い香りとまろやかな味
約10日後 夏季は味・香りが濁る 弱い香りと柔らかい味
約20日後 冬季でも香味、少なくなる 香り少なく、味も薄くなる
約30日後 粉の場合、このあたりまで
約50日後 豆の場合、このあたりまで
コーヒー豆は、焙煎直後は特に二酸化炭素をたくさん含んでおり、粉の状態になると多くが失われますが、5~3割ぐらいは残ります。二酸化炭素は、豆の酸化を防ぎ、徐々に抜けると共に香りの成分を放出します。つまり二酸化炭素が残っているほど、風味の良い新鮮なコーヒー
いえます。特に、真空包装を常温で置いているとこの現象がよくみられます。これは二酸化炭素が袋の外に出られなくて膨張したためで、袋に穴が空いてゆるんだわけでありません。水分を失った焙煎豆は、軽くなり、ひじょうに乾燥しているため空気中の水分を吸収しようとします。焙煎した珈琲豆の保存に水分が大敵となるのはそのためです。逆にその性質を利用して珈琲豆を挽いたものは、吸臭剤としても使われる事があります。
珈琲の賞味期限は、焙煎からおよそ2~3週間です。珈琲は焙煎直後から成分の化学変化が始まり、豆の種類や焙煎度合いにもよりますが、香りやコクがバランスよく出てくるのが、焙煎後3、4日経過したころです。豆のまま(挽かない状態)で1~2週間目あたりが上質な香りのピークとなり、3週間以上経過すると、珈琲豆に含まれる諸成分が酸化を始めてしまいます。コーヒーは、焙煎直後から内部ガスを放出していきます。このガスこそ香り成分なのですが、面白いことに焙煎して2~3日は、あまり香りを感じられません。焙煎後3日程度経過したころから、香りが豊かになると共に苦味やコクも急速に出てきます。下のグラフは、平均的なコーヒーが経時変化によって風味がどのように変化するかを現したものです。※豆(挽かない)の状態で、冷暗所に保存した場合です。
このグラフでも分かるように、香りは1週間目前後にピークを向かえ、その後緩やかに下降していきます。一方、苦味とコクは緩やかな上昇を続けますが、2週間前後を境に、苦味成分が香りを上回ります。
3週間ほど経過すると、香りを殆ど感じられなくなり、悪く言えば苦いだけのコーヒーになってしまいます。そして、これ以上経過したコーヒーは、普通の食料品同様「酸化」を始めます。焙煎されてコーヒーは、茶色く色づいていることから、酸化してしまっても見た目には判断がつかないため、経時劣化したコーヒーを口にしている場合が少なくありません。
焙煎直後のコーヒーの味は
焙煎したコーヒー豆は、例えていうなら炭のような、小さな穴がたくさん開いている「 多孔質状」の構造をしています。つまり小さな部屋がたくさあるような感じを 思い浮かべていただけるといいと思います。その部屋の中には、二酸化炭素を中心とした気体の成分(以降「ガス」)が たくさん詰まっています。特に焙煎直後は部屋の中にそれでパンパンになって いるような状態です。このガスには、コーヒーのいい香りの成分ももちろん 含まれています。焙煎から間もないコーヒー焙煎豆を使ってコーヒーを淹れると、お湯を注いだ 瞬間に大きく膨らみますが、これはこのガスが一気に外に出てくるために起こる現象です。それは確かに新鮮な証拠ではあるのですが、実はこれによってコーヒー の抽出状態(お湯によって効率よくコーヒーの成分を取り出せる状態)があまり 良くない状態になってしまうのです。
<焙煎当日のコーヒーは『落ち着いていない』味>
要はコーヒー豆の部屋の中にお湯を入れていってコーヒーの成分を溶かし 出したいのに一気に大量に外に出てくるガスがそれを邪魔する、といとわかりやすいでしょうか。
これはどんな淹れ方でもそうで、圧力をかけるエスプレッソやSteampunkと いったものはよりその影響が大きくなってきますし、カッピングですら焙煎直後は正確にフレーバーを感じることは困難になるほどです。ひとことでいうと「落ち着いてない」感じの味になりがちです。
やむを得ず焙煎当日のコーヒー豆をSteampunkで淹れるときは、先にコーヒーを挽いてからマシンを始動させていることがありますが、これは実はある程度ガスを飛ばして良い抽出状態を作るためにやっていることなのです。
<焙煎2~3日後からコーヒーが美味しくなってくるわけ>
ここまで読んで頂ければもうお分かりかもしれませんが、焙煎から少し時間が 経つことによってガスがほどよく抜けてきだすことで、良い抽出状態を作り やすくなって、コーヒーの味がよくわかるようになる、というわけなのです。
<焙煎直後の味は?>
焙煎後、すぐに挽いてコーヒーを淹れてみました。炭酸ガスが大量に含まれていることからモコモコと豆が膨らみます。この炭酸ガスによって、味が安定しなくなると言われています。味を安定させるために、炭酸ガスをある程度抜かす必要があるので、2、3日寝かせるというのが一般的です。ですが、今回は即飲んでみます。味は…「美味いです!」やっぱり落ち着いて癒されます。が、寝かせた後とはやはり味が少し違うように感じました。少しライトな感じがします。味に深みが弱いというか軽い感じの印象はありました。これが焙煎直後のコーヒーのデメリットでしょうか。ただ、飲めないというほどではなく、普通に美味しいです。なぜ、2、3日寝かせる必要があるのか?
喫茶店は、コーヒーがメインの専門店になります。その店のオリジナルブレンドコーヒーもあるでしょう。そのブレンドコーヒーが淹れる度に味が変わってしまったら、プロとは言えません。常に最高のクオリティを安定して出せるのがプロだと思います。そのため、焙煎直後でも十分に美味しいですが、プロとしては味を安定させるために寝かせる必要がある。というところから、焙煎後3日目以降が飲み頃というのが広まったのだと思います。もちろん、寝かせたら美味しくなります。味に深みが出ます。でも、焙煎直後は焙煎直後の良さがあると思います。
喫茶店や通販ではなかなか焙煎直後のコーヒーを飲むことは難しいと思いますが、焙煎したての豆を店頭販売しているお店であれば、その日のうちに挽いて淹れて飲むことは可能です。焙煎直後から毎日1杯ずつ飲んで、味がどのように変化していくのかを楽しむのもおもしろいものです。
◆抽出液
1.ホットコーヒー
◇酸化は、光、温度、空気によって酸化していくのですが、淹れたコーヒーは、どんどん酸化していき風味が落ちていきます。そのため、お店などでは落として30分経過したコーヒーは破棄するところも多いかと思います。ただし、風味を気にしないのであれば、 保存は可能です。淹れたコーヒーは、お湯で作ってしまうと、熱ですぐに酸化が始まりますので、 作る際は、水出しで淹れて保存する方法が酸化しにくくなります。
◇温かいコーヒーの場合、魔法瓶などで保存するという方法がありますが、どんな入れ物に入れていても、熱によって酸化が進みます。
コーヒーメーカーの保温機能によって、保温されたコーヒーが酸化して酸っぱくなったり、美味しくなくなるのと同じ原理です。ですので、温かい状態で保存、持ち歩きたい場合は、お勧めできる方法はありません。その都度淹れてコーヒーを飲まれることをお勧めします。持ち歩きたい場合は少々面倒ですが、お湯を魔法瓶に入れてその都度作る、もしくは出先に電子レンジがあるのならアイスコーヒー(水出しコーヒーなど)を持っていき、マグカップなどに移して温めるという方法をとる方法が良いと思います。
保存期間(賞味期限)の目安は?
温かい状態での賞味期限は、風味という観点から30分以内。1時間もするとかなり風味が落ちていて美味しくありませんし、30分以内でも美味しくなくなっているかもしれません。
冷めたコーヒーは何故マズイ
1.酸化。
当然冷めると酸化はします。その酸化を最小限に抑えることです。
2.元々マズイ
人間の舌は熱い時よりもぬるい時の方が味の変化に敏感になります。豆の鮮度、淹れ方など、そもそもそこからマズイ可能性はあります。熱いからマズク感じなかっただけかもしれません。私も以前冷めた時にマズク感じ、色々と試してみました。まず、チャフ(薄皮)を取り除く。私は普段臼刃の手挽きミルで歯の位置を最低にして、豆を砕くようにして豆とチャフを分けます。その後新聞紙に一旦広げて揺すりながら息を吹きかけてチャフを飛ばします。これでチャフはほとんど無くなります。その後電動ミルで挽きます。こうして入れたコーヒーは冷めても全然渋みが強まらずおいしくいただけます。あと低温で淹れる。といってもコーヒーを一番うまく抽出できるのは82~84℃と言われていて、そこら辺で淹れれば美味しくいただけます。また、あまり浅煎りの豆は使用しないこと。ハイ・シティなどが一番バランスが良いです。ミディアムはどうしても冷めてから酸味が強まる傾向があります。
焙煎したコーヒー豆と同じ。冷める過程で酸化するからです。「すっぱくなる=酸化している」ということです。喫茶店で淹れるアイスコーヒーは、急冷や水出し等で酸化を最低限に抑える工夫をしています。冷蔵庫で冷やした場合も同様です。ゆっくり冷えるため、酸化が進んでマズくなります。
逆に、温め直した場合ですが、度を超すと「えぐ味」が出てマズくなります。基本、淹れたら(開封したら)保温しても20~30分で味は劣化するものと思ってください
おおまかにはホットコーヒーは中煎り、アイスコーヒーは深煎りなんです。アイスは温度が低い分舌が苦みを感じにくいです。ですので酸味は強く感じます。
2.アイスコーヒー
常温に置いておくと酸化に加え雑菌の繁殖が出てくるので、基本的には冷蔵庫での保存となります。保存方法としては、水出しコーヒーポットで作りながら冷蔵庫で保存されるか、水出しで作られたもの、もしくはぬるめのお湯で溶いて水を入れたり氷を入れて冷ましたものを密閉できる容器に入れて、封をしっかりとして冷蔵庫で保存という形になります。
保存期間(賞味期限)の目安は
目安としては、24時間ですが、2~3日程度なら保存は可能かと思います。ただし、時間が経つにつれ風味は損なわれていきますので、できるだけ早めに飲まれることをお勧めします。なお、2~3日以上保存することは可能で、 実際1週間保存されている方もおられます。ですが、水の質やコーヒーの濃さなど様々な状態で劣化速度は変わってきますので、目安としては、やはり2~3日が無難かと思います。