日記

2024-01-14 17:05:00

11. 計量

11.計量
■計量単位
『cc』は、「キュービック・センチメートル」の略です。センチメートルの3乗(cm^3)、いわゆる「立方センチメートル」です。 一辺が1cmのサイコロの体積です。

 『リットル』は、立方センチメートルと立方メートルの間を取った単位で、『1リットル=1000立方センチメートル』と決められています。 重さで『トン』という単位がありますが、1トン=1000kg と同じようなものです。

 『ml』の「ミリ」は、1000分の1を表す記号です。つまり、1ミリ"リットル"は1"リットル"の1000分の1の体積ということになります。

 『dl(デシリットル)』の「デシ」は、10分の1を表す記号です。つまり、1デシ"リットル"は1"リットル"の10分の1の体積ということになります。これを総合すると、 『1リットル=10デシリットル=1000ミリリットル』です。
 料理本用語をピックアップすると、『1cc=1ml』 『1dl=100ml』 『1リットル=1000ml』です。メートル法が出来たとき、パリを通る子午線の長さの4000万分の1を1m、一辺が10cmの立方体の体積を1リットル、1リットルの最大密度における蒸留水の質量を1kgと定義されました。
その後、1kgの定義は、1889年に直径・高さとも39mmの円柱形で、白金90%・イリジウム10%の合金でできている「国際キログラム原器の質量」に置き換えらました。(4℃の水の密度は、0.999973)
1mの定義は、その後変遷を経て、真空中で1秒の299792458分の1の時間に光が進む行程の長さとされています。
1リットルは、1000ml 1リットルは、一辺が10cmの立方体の体積ですから、10cm×10cm×10cm=1000cm3(1000立法センチメートル)英語では、1000cubic centimeterと言い、頭文字のccをとって1000ccと略されます。したがって、1mlと1ccは同じ体積をあらわします。
4℃の水1ml(1cc)は、約1gですが、比重が7.85の鉄(鋼)は、7.85gになります。1ml(1cc)の重さは、物質によって違います。

 

■メジャースプーンの精度
メジャースプーンでは正確なグラム数は量れません。コーヒーの生豆にはもともと11~13%の水分量が含まれています。もちろん私たちは生豆のコーヒーを飲んでいるわけではありません。 「焙煎」という工程を経て普段飲んでいるコーヒーになります。焙煎度合いに応じてコーヒー豆の水分量が減り、組織変化を起こし膨張します。※この膨張する現象をパフィングといいます。浅煎りと深煎りでは同じ豆でも深煎りの豆の方が体積が変化します。なのでメジャースプーン擦り切り1杯で正確なグラム数は量れないのです。
<検証>
フルシティローストとハイローストの豆で比較してみます。使うメジャースプーンは、ハリオのドリッパーについてきたもので、擦り切りで12グラムと表記があります。重さは電子スケールで正確に計測します。

①フルシティロースト(焙煎段階6/深煎り)
フルシティローストの重さは11グラムです。擦り切り具合で多少の誤差があるのかもしれませんが、表記されている12グラムまで届きません。
②ハイロースト(焙煎段階4/中煎り)
ハイローストの重さは13グラムです。


<結果>
それぞれメジャースプーンの表記より±1グラム、差にして2グラムの開きが出ました。コーヒーは1グラムの増減で味が変わってきます。メジャースプーン擦り切り1杯が好みの味であるならば良いのですが、なかなかそう都合良くはいかないものです。ハウツー本の表現だと、『どのコーヒー豆でもメジャースプーン擦り切り1杯で10グラム量れる』と勘違いしてしまいます。美味しいコーヒーを淹れることができたなら、次回も同じ味を再現したいと思いますが、電子スケールを使い正確な数値を記録することをお勧めします。嗜好に合うコーヒーを知る為には、抽出条件を数値化することが大事です。その基準値の一つとしてまずコーヒーの重さを決めてみましょう。では、どんな電子スケールが良いのか。できればコンマ以下まで計量できるものが良いです。0.1グラムと0.9グラムでは大きく開きがあるからです。
例えば、ハリオのスケールは『ドリップスケール』というだけあって、ドリップに特化した機能を持っています。2~200グラムまでは0.1グラム刻みで、200~500グラムまでは0.5グラム刻み、500~2000グラムまでは1グラム刻みでの計量が可能です。最大で2kgまで量れますので、サーバーとドリッパーごとスケールに乗っけて使用することができます。さらにタイマー機能も付いていますので、蒸らし時間やドリップ全体の時間を計ることによって、抽出時間も管理することもできる優れものです。

 

■生豆と焙煎豆の重さの変化
生の珈琲豆を焙煎すると1割~2割弱、重量が減ります。焙煎する生豆は、2割くらい多めに測りとる必要があります。実は、重量の変化は生豆の水分にあります。生豆重量の1割~2割水分が含まれます。豆の種類など例外もありますが、一般的には新しい豆ほど水分が多く含まれ、生豆の水分は、高温で焙煎することでほとんどが蒸発してしまいます。そのため水分を失った焙煎豆は、軽くなりまた乾燥しているため、空気中の水分を吸収しようとします。焙煎した珈琲豆の保存に水分が大敵となるのはそのためです。逆にその性質を利用して珈琲豆を挽いたものは、吸臭剤としても使われる事があります。

 

■焙煎後の重さの変化
コーヒー生豆に含まれる水分は焙煎することにより、12%前後から1%前後まで減り、その他の様々な成分なども揮発していきます。焙煎後は、少しずつ炭酸ガスが発生し、特に深煎りのコーヒーは多くのガスが発生し、1週間ほどで1%前後減ります。200gのコーヒー豆であれば、1週間後には198gになるわけです。中煎り(ミディアムロースト)のコーヒーは、それほど減ることはありません。(1週間で、0.2%前後減ります)