日記
16. 抽出温度
16.抽出温度
<低温>
80℃以下の低温では、酸味がやや強くなり、苦味がぼやけてきます。購入したコーヒーが苦いと感じるようなら、湯温を下げて抽出してみると良いでしょう。
<適温>
82~83℃での抽出を推奨しています。酸味と苦味、香りのバランスがベストに抽出される温度帯で、これを基本に好みで調節すると良いでしょう。
<高温>
85℃以上の高温では、苦味が強く出る傾向にあります。また、エグ味も短時間で出やすくなるため、よほど苦味が好きな方以外には推奨できません
お湯の温度はどれくらいがいいか
どの温度がどんな味を引き出してくれるか、それぞれのロースト度合いに合った湯温とはどんなものなのか、ドリップ抽出の場合を整理してみましょう。
低温(78~83度) = 深煎り向きです。(フルシティーロースト・フレンチロースト・イタリアンロースト)
このくらいの湯温は、苦味を押さえ刺激の少ない味を作り出します。深煎りの場合にはベストな温度でマイルドな味を引き出しますが、浅煎りの場合は豆が堅いため十分に味が 引き出せず酸味が強調されますので気を付けて下さい。
適温(86~93度) = 浅・中煎り向きです。 (ミディアムロースト・ハイロースト・シティロースト・フルシティーロースト)
甘・酸・苦味の整ったバランスの取れた味を作ります。
高温(95~99度) = コーヒーには不向きです。 成分が出過ぎて、苦味・渋味の強いコーヒーになります。古い豆を使用した場合は、出来上がったコーヒー液の表面に油が浮くことがあり ます。
湯を沸かす時に、お湯を一度沸騰させるかどうかについては諸説あるようです。結局のところカルキを十分に抜くために、沸騰させると良いでしょう。カルキがもともと少ない水は、必ずしも沸騰させる必要はありません。沸騰直前(大きめの気泡が出始めるぐらい)まで、沸かすと良いでしょう。このとき、ポットの中の温度が90℃~95℃程度になっていると考えて下さい。このあたりが「やや高めの湯温での抽出」の温度です。 気体の溶解度は温度が上がるほど小さくなっていきます(温度とは分子の運動の激しさを測る尺度です。ですので温度が上がれば分子の運動は激しく
なり、外へ飛び出す分子の数が増えていきます)。従って沸騰していなくても温度が高ければ溶けにくくなって出て行きますし、沸騰しているからと言って完全に出て行くわけではありません。煮沸して「出来るだけ多くの」二酸化炭素を追い出すことが出来るということです。
■グツグツに沸騰したお湯でコーヒーを淹れてみた結果
上手にコーヒーをドリップする方法は今やネットでいくらでも情報が入ります。共通しているのは「沸騰してから少し温度が下がったお湯で抽出しましょう」という部分です。この温度もピンキリで、80℃~95℃の中でアマからプロまで様々な見解があります。もちろん豆の種類や焙煎度・状態に応じて適した温度も変わってきます。そして何より最終的な味のジャッジは飲む人の舌に委ねられているので、「抽出温度は〇〇℃で統一」とは今後もならないでしょう。沸騰直後のお湯を推奨している人はあまり見かけませんが、検証してみます。
実験開始 → グツグツのお湯を用意しました。
沸騰 → フルシティローストを使っていつも通りの手順で抽出していきます。普段なら適正温度に下がるまで待ちますが、実験の為このまますぐに蒸らしにかかります。高温の為勢いよく膨らみます。
蒸らし → 30秒間蒸らし、ドリップしていきます。普段よりも大きな気泡を含んでいます。沸騰したお湯で抽出、ここでまず1つ、違いに気付きました。漂う香りが臭い、表現し辛いのですが、焦げ臭いというか革製品の様な臭いというか、とにかく良い香りではありません。
テイスティング → 案の定、先程の異臭が移り込んだコーヒーに仕上がりました。口に入れてみるとすぐに刺激の強い苦味を感じました。
結論 → 沸騰したお湯でドリップすると不味いコーヒーになります。強いて言うなら、徹夜仕事で気合を入れる為に飲むなら効果はありそうです。
■ぬるま湯で淹れるコーヒー
コーヒーは80℃~95℃の間で抽出されることが多いです。温度が高くなる程、コーヒーの「雑味」や「えぐみ」が溶け出し易くなる(短時間で溶け出す)と言われていて、実際に私もその通りだと思っています。これが「温度が高いと苦味が強くなる」と言われる所以でしょう。逆に、温度が低いお湯で抽出した場合は先程の雑味成分が溶け出し辛いので軟らかい味わいになります。その分、味の輪郭がぼやけてしまったり、仕上がりのコーヒーがぬるくなってしまったりします。(コーヒーは再加熱をすると香りが飛んでしまうので、基本的にはドリップ後の温度で飲み始めます。)
ですので、抽出の際は好みとバランスを考えながら温度を決めます。ところが例外的な抽出方法があり、『水出しコーヒー』は温度の高いお湯を使わず、常温水もしくは冷水を使います。ただし、ハンドドリップやプレス式の様に2~3分という短い時間で抽出せず、数時間~1日という長い時間をかけてじっくりと抽出します。その味わいは角のない、クリアなものとなります。ということは常温でもなく、熱湯でもない50℃のぬるま湯でドリップをすれば通常のドリップと水出しの両方の良いとこ取りができるのではないでしょうか、その代わり再加熱をしないのであればぬるいコーヒーを飲むというデメリットもあります。
<検証、ぬるま湯でのドリップ>
ぬるま湯での蒸らし → 案の定膨らみません。気持ち色が薄い。
テイスティング → 良くも悪くも苦味は通常時に比べ弱く感じました。口当たりは良いです。ただし、香り立ちは少なかったです。そして問題の濃度ですが、やはり少し薄めでした。ただし、飲めないほど酷いのかと言えばそんなことは全くなく、こういうコーヒーもアリと思いました。唯一目につくところと言えば、やはり「ぬるい」というところでしょう。そもそもそこまで香り立ちはしないので、再加熱しても良いかもしれません。
まとめ → ぬるま湯でドリップする必要(メリット)は特に無いということです。特別な事情があれば別ですが、わざわざ温度が下がるのを待つのも面倒ですし、ぬるま湯で仕上げたコーヒーが感動するほど美味しいかと言われればそうでもありません。ただ単純にコーヒーとして飲める許容範囲内に収まっているということです。わかったことは温度が低ければ低いほど、口当たりは良くなるということです。
■適温、温度変化
コーヒー液を抽出するには、抽出に適した温度があります。抽出に適した温度とは「80~85℃」これより高い温度で抽出すると、コーヒーの旨味成分よりエグミや雑味の方が出やすくなるため、例のごとく不味いコーヒーになってしまいます。逆に低い温度になると、成分がちゃんと出ず水っぽいコーヒーになってしまうのです。だから、この温度を毎回ちゃんと守って抽出するのが大事なのですが、沸騰したお湯の温度は高すぎるし、ポットの保温したお湯ではちょっと低い、実に中途半端な温度なのです。では毎回温度を測って淹れなきゃいけないのか、とても面倒くさい工程です。これは、お湯を移し替えることで解決します。
①お湯を沸かす
②沸騰したら、お湯がボコボコなっているのが収まるまで待つ
③ボコボコが収まったら、ドリップポットに移し替える
④注ぐ
以上。これだけです。お湯を注ぐ時はだいたい80℃~85℃の間の温度になっています。ポイントは「お湯のボコボコが収まるまで待つ」ということ。ボコボコしてから収まるまでの間で10℃ぐらい下がるので、あとはドリップポットに移し替えてる間にさらに下がって丁度良い温度になる、ということなんです。
■実験 お湯の冷め方
◎気温/20度 ・器具/やかん ステンレス ・湯量/600ミリリットル ・ふたを開ける
・1分後97.4℃ ⇒ 2分後94.6℃ ⇒ 3分後91.5℃ ⇒ 4分後89.0℃ ⇒ 5分後86.5℃ ⇒ 6分後84.0℃
・銅ポットへ移し替えると 92.0℃ → 1分後88.4℃ → 2分後85.8℃